国際連盟本部が置かれたパレ・デ・ナシオン。=写真提供:Yann Forget
ソ連の国連加盟は、国際政治の巨大なうねりの中での事件だ。
・1933年1月 ヒトラー、首相就任
・1933年3月 日本、満州国をめぐる対立から、国連脱退
・1933年10月 ドイツ、国連脱退
友好国から敵同士へ
ヒトラーは、かねてよりボリシェヴィキを敵視し、東方植民とスラヴ民族の奴隷化を綱領として掲げており、その彼が政権についたことで、ソ連とドイツの関係は180度転換することになった。
それまでは、第一次大戦で負けた両国は、むしろ友好的な関係にあった。ドイツはヴェルサイユ条約で、飛行機、戦車、毒ガスの保有を禁じられたので、密かにソ連国内に工場を創った。
ソ連にしてみれば、それは赤軍の強化に役立った。ドイツ国防軍と赤軍は持ちつ持たれつだったのだが・・・。
孤立の終わりと大粛清の始まり
ソ連は、互いに接近する日独のファシズムに挟まれる形となった。しかしその反面、日独に対立する欧米諸国は、ソ連を味方につけねばならなくなった。
こうして、ソ連の国際的孤立は終わり、国連加盟が実現する。
スターリンは間もなく、ファシズムの脅威の名のもとに、大粛清を開始し、水も漏らさぬ独裁体制を固めていくことになる。
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