内装がもっとも美しいモスク(写真特集)

 イスラム教はロシアで2番目に信者が多い宗教である。ロシア領土には、多くのイスラム寺院が建てられている(チェチェンだけで1200以上)。そんな多くのモスクの中から、外観はもちろん、内装がもっとも印象深いものを選んで紹介する。

モスクワ中央モスク

 現在のところ、これが東ヨーロッパでもっとも高いモスクである。その高さは78㍍で、プロスペクト・ミーラ辺りにある。

 スターリン時代、宗教に関連する建築物は大々的に閉鎖されたり、または倉庫や別の施設に作り替えられたり、あるいはまったく壊されたりした。しかし、この中央モスクだけは例外であった。1904年に布地や綿を扱っていた商人サリフ・エルジンの資金で建てられたこの寺院は一度も閉鎖されたことはない。イスラム世界との関係を良好に築こうとしていたソ連は、中東の国々の指導者を度々このモスクに招いた。

 現在のモスクは、古い建物を修復したものではなく、2015年に建てられた新しいものである。基礎となっているのは131の杭である。というのも建物のしたには地下河川のナプルドナヤ川が流れていて、また近くには地下鉄の路線が走っているからである。

 6階のうちの3階が祈りのための場所となっている。モスクには大小2つの祈祷場所があり(しかも小さい方のホールは2011年まで存在した中央モスクの古い建物の空間と同じ作りになっている)。

 ホールの周囲にはより多くの信者を受け入れられるようバルコニーが作られている。モスクの収容人数は最大1万人。内装に使われている大理石はカナダから取り寄せられ(寒い気候にもっとも合う大理石)、クリスタルのシャンデリアは1.5トンの重さ、そして入口の彫刻が施された扉はトルコ政府から贈られたものである。

「イスラム教徒の誇り」

 モスクはその名前を正当なものにしている。白い大理石、多くの黄金、手描きの壁画は、「イスラム教徒の誇り」をロシアのもっとも美しいモスクの一つにしている。

 これは、チェチェンの首都グローズヌィから30㌔の場所にあるシャリ市で2019年に建設され、預言者ムハンマドを記念して(教会の正式名称は、預言者ムハンマド記念モスク「イスラム教徒の誇り」)付けられた。現在、ヨーロッパ最大のモスクは、内部に3万人以上を収容し、敷地内にはさらに7万人を収容する。

 モスクの建物には、ペルシャ、中央アジア、ビザンツの様式が融合されている。外側には、タソス島から運ばれてきた真っ白な大理石が張られている。このタソス島の大理石は光の反映が美しいことで知られ、また暑い気候に温度を安定化するものでもある。内装の多くが手作業で行われている。たとえば、丸屋根の下の黄金の絵も、色のついた大理石の作品も手作りである。

 モスクの主要な装飾であるシャンデリアの重量はほぼ3トン。トルコで特別にオーダーして作られたものである。また金とスワロフスキーの石で飾られた395個のランプがある。

サンクトペテルブルク中央モスク

 かつてロシア帝国の主要なモスクで、ヨーロッパ最大であった。現在、このサンクトペテルブルク中央モスクは中洲に建てられた唯一のモスクで、サマルカンドのタメルランのお墓と密接な関係があるものとしてよく知られている。

 モスクの丸屋根はサマルカンドの墓地の屋根をほぼ踏襲している。またその他の部分もほとんどのルーツはそこから来ている。芸術家のL.マクシモフは、シャフ・サマルカンドに赴き、シャーヒ・ズィンダ廟とグーリ・アミール廟のオーナメントのコピーをとった。

 モスクは1910年に基礎が作られた。モスクは「青いモスク」とも呼ばれている。正面玄関、屋根、塔に青色のタイルが張られているためである。

 3階建ての建物全体で、最大5000人を収容することができる。最上階の3階に上がるには屋根の下に備え付けられた大理石の広い階段を上る。金曜日や祝日には、1階に加えて、3階も男性教徒の祈りの場所として使われる。

「クル・シャリフ」

 モスクは、1552年、ロシア・カザン(カザン・ハン国の首都)戦争のときに、イワン雷帝の軍によって破壊された別の寺院のあった場所に建てられた。古い寺院も新しい寺院も同じ「クル・シャリフ」という名が付けられている。クル・シャリフというのは、最後の指導者で、タタール人の間でもっとも崇拝されている人物の1人である(預言者ムハンマドの子孫に付けられるサイイドの尊称をもつ)。しかしロシア・カザン戦争ではクル・シャリフを含む全員が死亡し、町も焼失した。

 最初のクル・シャリフ・モスクがどのような姿をしていたのかは分からない。今のモスクは新たに作られたオリジナルの設計となっている。カザン創建1000年に合わせ、2005年に建設された。現在はタタールスタンの主要なモスクとなっている。

 内部の収容人数は5000人。もっとも大きな丸屋根の大きさは直径17㍍で、中はロシア皇帝のシンボルである有名な「カザンの帽子」のように装飾されている。

 外壁にはウラル産の花崗岩と大理石が使われ、重量およそ2トンのクリスタルのシャンデリアがチェコで作られ、敷き詰められたカーペットはイランからの贈り物である。

 また内装の多くの部分が手作業で作られている。たとえば、彫像やモザイクは16世紀の技術を使って仕上げられている。

「チェチェンの心」

 グローズヌィ中心部にあるこのモスクはイスタンブールの「ブルー・モスク」を真似て作られた。2008年の秋にオープンし、チェチェンの初代大統領アフマト・カディロフの名前が付けられた。

 「チェチェンの心」の内装には、トルコのマルマラ島の白い大理石が使われ、伝統的なチェチェンの模様(壁画を描いたのはトルコの芸術家)とコーランのテキストが高価な金箔で飾られている。

 スワロフスキーのクリスタルとチェチェンの模様を使った36のシャンデリアはイスラムのさまざまなモスクを真似て作られている。27はエルサレムのクバトアルサクラモスクワの形、8つはメディナの預言者のモスクの形、もっとも大きなシャンデリアはメッカのカーバ神殿に似せて作られている。

 すべてのシャンデリアを作るのに数トンの銅、2.5キロの金、そして100万以上の部品が使われている。

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