ロシアの古い民族舞踊10選!(動画付き)

Legion Media
 ロシアの民族舞踊はそれぞれ大きく異なっており、その踊り手たちは、まるで別の惑星から来たのかと思わせるほどである。

 ロシアには190以上もの民族がおり、それぞれ独自の舞踊文化がある。北方の民族は、魔術の儀式に基づく神聖なる踊りだ。カフカス地方では、ロマンチックな感情を踊りで表現し、ヴォルガ地方では、日常の情景を表す。そして、古代の舞踊の多くが今日にまで伝え残されている。 

1. ブリヤート:ヨホール

 ブリヤート民族の円舞「ヨホール」は、通常、大衆的な祝祭日に踊られる。踊る時は手をつないで輪になり、太陽の動きに合わせて、左から右に移動する。逆方向に動くことは許されない。太陽に背いて動くのは悪霊だけだと信じられているからだ。ヨホールは、火や木を囲んだり、丘の周囲で踊られることもある。円の中では、指揮官がある歌を唄い、踊り手たちは、跳んだり(馬を表現する)、手をばたつかせたり(鳥を表現する)、各々別の動きをする。近年では、ブリヤート人もフラッシュ・モブを計画し、世ホールを世界各地で踊り、それをSNSに投稿している。

2. カフカス:レズギンカ

 「レズギンカ」はカフカス地方に伝わるもっとも有名な踊りである。古代には、これは戦士の踊りであったが、今では、男も女も踊り(いくつかのパターンがあるが)、踊り手はそれぞれ異なる踊りをする。興味深いことに、男の踊りは主に足をつかうのに対し、女は手をつかう。この踊りの意味は、男がお互いに「争う」ことであるので、力強さを誇示し、女の気を引くのである。しかし、男たちは女に触れることはできない。それは不敬な行為と考えられているからだ。レズギンカは、プロの舞踊グループが踊ることもあるし、お祝いごとなどに際して一般の人が踊ることもある。カフカス地方の結婚式でこの踊りが披露されないことなど想像できない。

3. タタール:サバントィ

 「サバントィ(祝日の意)」は、タタール人の日常生活のいくつかの場面を表現した踊りである。春の種蒔期の終わり(この「耕作の祝日」は6月に行われるのが習わし)を讃えて祝われる、タタールの主な祝日もサバントィとよばれる。この祝日では、スポーツ競技をし、歌を唄い、エポチマク・パイを食べ、サバントィを踊って飛び跳ねたり、くるくる回ったりする。

4. カルムイキア:ウサギの踊り

 カルムイク人の踊りは、シャーマン信仰にまでさかのぼり、精霊との交信を意味する。この古代の踊りの動きは動物を模しており、たとえばある踊りでは、ウサギを表す。踊り手はうさぎの前足のように両腕を胸の前で折り曲げ、頬をひっかくしぐさをする。おもしろいことに、カルムイクの踊りはひとりで踊られたり、ふたりで向かいあわせで踊ったりする。

5. ヤクート:オスオハウ

 輪になって踊るヤクートの伝統舞踊は、どんな祝いごとにも欠かせない重要なものだ。きまりごととして、オスオハウは大勢の人たちが参加するのがとても印象的だ。踊り手は手をつないで円くなり、スピードを増しながら踊り回るのだ。踊りのテンポを調整する指揮官がいる。 

6. モルドヴィア:ヴァドリャ

 ヴァドリャはモルダヴィア語で「良い」という意味だ。この踊りでは、男も女も平等な位置づけとなる。女は男を刺激することなく、まっすぐと前を見ている。一方、男は、女の手を取ることはなく、並んで前の者について進んでいく。踊りの動きは自然界のものから来ている。他の民族舞踊と同様に、踊り手は空や、鳥たちが風に乗って飛ぶ様などを表現する。

7. チュコトカ:パントマイム

 歴史的に、チュクチ人の踊りは、動物、鳥、自然現象(たとえば、「狩り」「カモメの飛翔」など)を表し、かつては単独もしくはペアで踊られ、神聖な意味があった。チュクチの人々はいまでも踊りに対して情熱をもっている。小さな村であっても民族舞踊を踊るアンサンブルがあるのだ。 

8. カバルダ・バルカル:貴人(または皇子)の踊り

 古代の民族舞踊「ウイェルク・キアフェ」(または短縮して「カファ」)は、何組かのペアによる円舞で、とても美しい。初めは一組のペアの踊りで始まる。客人が集落でもっとも美しい娘と踊り始めると、他の賓客がこのペアに加わっていくのである。この踊りで重要な点は、姿勢に気品があり、手の動きも優雅であることだ。現代のアンサンブルは、男の舞踊に、複雑なエレメントが加えられるようになっている。 

9. コサック:カザチョーク

 ロシアでもっとも有名な民族舞踊であり、テュルク・コサックとクバン・コサック、また軍人の間で広まっている。しゃがんだり立ったりする「スクワット」のような動きがたくさん見られるのがカザチョーク(「小さなコサック」)である。見たところ、軽快で明るい踊りであるが、動きはとても複雑で、踊るには相当な訓練が必要である。 

10. ロシア:ホロボード

 輪になって踊るロシアの主要な舞踊は異教をルーツに持つ。古代には、スラヴ人は太陽の神ヤリラを崇めて円をつくった。時が過ぎて、ロシアの円形舞踊はどの祝日でもどの音楽会でも取り入れられるショーとなっている。

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