1. ロシア国立図書館(レーニン図書館)、モスクワ
モスクワっ子たちが「レーニンカ」と呼ぶロシア国立図書館はロシアでもっとも有名な最大の図書館である。蔵書数は4,700万点を超える。国内で出版されるすべての印刷物は1冊ずつ、この図書館に納めることが義務付けられている。
蔵書は古い屋敷であるパシコフの家に一部置かれているが、大部分はソ連時代に建てられた隣接する建物にある。とりわけ人気があるのが閲覧室で、若き学生や名誉ある教授の姿を目にすることができる。またレーニン図書館ならではの伝説の緑のランプを見ることができる。
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2. ツルゲーネフ図書館、モスクワ
レーニン図書館が学者たちや研究を目的としたものであり、18歳以上しか入れないが、ツルゲーネフ図書館は誰でも無料で入れる初の図書館である。1885年にロシアの作家イワン・ツルゲーネフを記念して開館した。慈善家のワルワラ・モロゾワが出資した。
1990年代になり、図書館は建築遺産となっている古い屋敷に移転した。19世紀に建てられたこの屋敷の中にはさらに古い16世紀から17世紀に作られた入り口部分が保存されているが、この部分は閲覧室から目にすることができる。図書館には立派なホールがあり、文学の夕べなどが開かれている。
3. ロシア国立図書館、サンクトペテルブルク
本当の読書好きにとって理想的な図書館は、天井まで続く壁一面の本棚、そして本から本へと移動するための階段だろう(「美女と野獣」“Красавице и чудовище”に出てくるような)。ペテルブルクのロシア国立図書館はまさにそんな図書館である。
4. ゴシック建築の「クニージナヤ・カペラ(ブック・チャペル)」、サンクトペテルブルク
2016年にオープンしたばかりの図書館で、その外観はまさにホグワーツ魔法魔術学校そのものである。カペラには16世紀から19世紀の貴重な書籍の手書きのコピー5,000点以上が収められている。この図書館の大きな特徴は、蔵書の多くを購入することができる点である。
ただし入場は有料で、2時間で4,000ルーブル(およそ6,200円)、4時間で7,000ルーブル(およそ10,800円)となっている。料金にはエクスカーション費、飲み物代、出版に関する相談料が含まれている。
5. ゴーゴリ図書館、サンクトペテルブルク
クリエイティヴな若者を対象にした図書館で、そのデザインと機能性は現代の要求をすべて満たすものとなっている。ここにはマルチメディア資料が大量にあるほか、館内で視聴できる音楽や映画コレクションも揃えられている。
伝統的な図書館と異なり、快適で面白いデザインのソファや休憩室のほか、オンライン会議のための特別ルームもある。さらに館内にはボードゲームやビデオゲームが楽しめる。
6. ロバチェフスキー学術図書館、カザン
1804年にカザン大学と同時に開設されたロシアでもっとも古くもっとも権威ある図書館の一つ(レフ・トルストイやウラジーミル・レーニンもここで勉学に勤しんだ)。
図書館はロシアの数学者の名を冠している。ロバチェフスキーは長年にわたり、カザン大学の学長を務め、同時に図書館の館長として蔵書を増やした。また目録の製作にも尽力し、図書館の別館建設にも携わった。この別館は現存している。
7. ヴェルナツキー記念クリミア連邦大学付属学術図書館
1918年にタヴリチェスキー大学と同時に創設されたクリミア初の学術機関(現在はクリミア連邦大学の一部になっている)。現在の蔵書数は300万点。
もっとも美しいホールの一つとなっているのが稀覯本博物館で、教会のアーチ、皇帝の勅令など15世紀の手書きの書など、希少な古書が紹介されている。
8. アルヴァ・アールト図書館、ヴィボルグ
フィンランドのカリスマ建築家、アルヴァ・アールトが1930年代に設計したモダニズムな図書館。自然素材をアクセントに、自然と融合させた一風変わったデザインが特徴。
たとえばレクチャールームには、パノラマの窓が設置されており、まるで公園にいるかのような感覚にさせてくれるほか、閲覧室では窓が天井まで伸びており、利用者を太陽光が照らしてくれる。