1. ソ連当局は国民の人生の全領域を管理していた――まさに誕生のその時から。赤ん坊の食事の与え方、洗い方、世話の仕方には厳格なルールがあった。最も有名なポスターの一つには「我々の子供たちは下痢を患ってはならない」と書かれ、赤ん坊や幼児の皿を清潔にしておく方法について助言が記されている。
2. ソ連は女性の健康にもかなり気を配っていた。彼女らが健康を保ち仕事を病欠しないよう望んでいたからだ。実際、これらのポスターは若い女性にとって唯一の情報源でもあることもあった。「胸に気を付けている? 乳首を毎日冷水で洗って鍛えろ」。
3. 実際、鍛えること、または免疫力を高めることは、ソビエト医療の最も普及した適用方法の一つだった。こうすることで多くの疾患、特に風邪を防げると考えられていた。ソ連の幼稚園の子供たちは凍てつく寒さの中でも外で昼寝をした。「健康でありたければ鍛えよ!」
4. 「インフルエンザの流行を防ごう!」 感染拡大を防ぐため、患者は医者を呼んで仕事に出ないよう求められていた。
5. ソ連初期、特に戦時中、ソ連当局は国民の低い教育水準に対処せねばならず、こんな警告までする必要があった。「生水を飲むな!」
6. 「赤痢に注意」:このポスターは煮沸した水だけを飲み、野菜を洗うよう勧告している。農民の多くが畑で採れた野菜をそのまま食べていた。
7. ソ連が戦うべきもう一つの病気がコレラだった。ルールは似ていて、生水を避け、市場の手料理は不潔なので食べてはならず、食べ物からハエを追い払うというのが基本だった。
8. 「健康な生活を求めて闘うことで、我々は結核に勝利する」。 ソ連では結核が重く受け止められ、その撲滅のためにいくつかの研究機関が作られた。
9. 国民に向けた最も一般的な助言の一つが、体型維持だった。「多様で規則的、適度な食事をとろう。太ることは老化だ!」
10. 若者はスポーツをさせられた。なぜなら「スポーツは健康と美」だから。
11. ソ連で最も普及したスローガンの一つが、ラテン語の「Mens sana in corpore sano」すなわち「健全な精神は健全な肉体に宿る」だった。
12. ロシア人は昔からよく飲む国民だったため、ソ連当局は酔っ払わないよう活発に呼び掛けた。このポスターでは、「旧友」のウォッカとタバコを訪ねた男の成れの果てが示されている。
13. 男性は心臓に気を付けるよう勧告された。職場でストレスを溜めず、タバコを吸わず、食事と睡眠を十分にとり、新鮮な空気を吸う時間を確保すること。
14. 公式には、ソ連にセックスはなかった……。そのため人々はきちんとした性教育を受けておらず、予防の概念もなかった。結果として、ソ連当局は行きずりの性交渉の危険性を警告し、性病にできるだけ早く対処する術を知らせざるを得なかった。
15. 「ドナーになることは愛国者の大きな誇りだ!」 献血した者は余分に休暇を取れた(学生はその日授業の出席を免除された)。
16. 医者はとても誉れ高い職業だった(医者は大いに尊敬され、賢く教養のある人々だと考えられていた)。「医師は人民の友!」
17. スポーツの奨励に次いでありふれた助言の一つが、歯磨きの促進だった。ロシア人の大半、特に農民にはその習慣がなかった。ソ連当局は歯磨き粉と練り歯磨きを宣伝し、子供たちに歯磨きをさせた。
18. このポスターは、虫歯は危険で、歯医者へ行くのを怠ると心臓病につながる可能性さえあることを成人向けに説明している。
19. 人々は目に問題があれば家で治そうとせず眼科へ行くことも勧められた。視力は毎年検査する必要があった。両目ともできるだけ早く度の合った眼鏡で矯正されなければならなかった。
20. そして最後にいつの時代も大切な助言:「作業後と食前は手を洗え」。
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