ロシア絵画に描かれたマースレニツァのパンケーキ週間

カルチャー
ロシア・ビヨンド
 ロシア芸術は、昔からマースレニツァが祝われている描写でいっぱいだ。この祝日は東スラブ族の宗教的な祝祭の中で最も神聖なものの一つで、ロシア人は四旬斎の直前のこの時期に冬に別れを告げる。

 マースレニツァ、またはざんげ季節は、2月もしくは3月の間の1週間続く民俗的な祝祭だ。人々は冬が終わることを祝うと同時に、このマースレニツァが終わった後の月曜日に大量のパンケーキを食べて、四旬斎が始まる。その間、ロシア正教徒の習慣では、40日以上にわたって様々なこの世の楽しみを捨てる。これにはビーガンダイエットをすること、喫煙の放棄、その他のさまざまな習慣、特に否定的な思考も含まれている。

 古くからロシアの人々は、伝統的で民俗的な遊戯だけでなく、パンケーキと飲酒(1週間に及ぶ大食!)を食べることで構成されるこの儀式を保ってきた。19世紀後半から20世紀初頭にかけてのロシアの芸術家たちは、一般の人々や農民に目を向け、この大人気の民俗的祝日に特別な愛情を抱いていた。

1. ワシーリー・スリコフ「雪の町の占領」、1891

 偉大なロシア人芸術家であるワシーリー・スリコフの「雪の町の占領」は、シベリア・コサックの間で人気のあったマースレニツァでの遊びを描いている。この絵は、あるチームのメンバーが最終的に雪の壁を破るゲームの終わりの瞬間を描いている。スリコフは、故郷であるクラスノヤルスク付近の村でこのようなゲームを見た(また彼はここで古儀式派の生活の中にある多くの儀式的な筋書きを観察した。ここ見たものは彼が後に描いた有名な作品「フョードシヤ・・モロゾワ」の基礎となった)。

2. コンスタンチン・マコフスキー「サンクトペテルブルクのアドミラルテイスカヤ広場のマースレニツァ」、1869

 マースレニツァで全力を尽くすということについて、都市民が田舎のに遅れをとることはなかった。一時的に劇場の舞台が中央の広場に建設され、大きな市場にパンとサーカスが提供された。蜂蜜やジャムからキャビアまで、様々なトッピングが載ったたくさんのパンケーキ、パフォーマンスをする人たち、ウォッカを飲むクマさえもそこにはいた…。

3. ピョートル・グルジンスキー「マースレニツァ」、1889

 トロイカレースを開催するのは最も楽しいことの一つだ。前もって馬を準備し、明るい色の一張羅を着ている。

4. アレクセイ・トレチャコフ「村にて」、1873

 この絵は、マースレニツァの週で最も重要な儀式の一つである縁談の場面を描いている。若い人たちは積極的に一緒にお出かけをして関係を築き、四旬斎が終わった春に結婚式を計画するのだ。

5.フェドト・スチコフ「祭のそり」、1910

 村に生まれたシチコフは、キャリアを通じて農民の生活、特に祝日の楽しさを描写した。

6. ボリス・クストディエフ「マースレニツァ」、1916

 この芸術家は、マースレニツァと冬のお祭りを描いた何枚かの絵を描いた。この作品は最も象徴的なものの一つであり、昔の村人や町民がある大きなお祭りのために集まっているこの絵は、見ている人さえ楽しい気持ちにさせるような楽しさで溢れている。お祭りに集まるのは今日でも変わらないことだ!

7. コンスタンチン・コロヴィン「マースレニッツァのお祭り」、1930年代

 マースレニツァの神髄を体験する最良の方法とは、間違いなくロシアの特にスーズダリ(モスクワから230
キロメートル)のような小さな古くからある町を訪れることだ。ほとんどの伝統が今でも守られており、人々が楽しんでいて、パンケーキをずっとたくさん食べている。しかし、ニキータ・ミハルコフの映画『シベリアの理髪師』では、昔のモスクワでのマースレニツァのお祝いを描いた本物のシーンをみることができる。

8. アポリナリー・ヴァスネツォフ「マースレニツァの人形を燃やす」、1920

 祝祭の最も壮観なところは、マースレニツァの人形を燃やすところだ。このわらでできた生き物は冬を象徴し、それを焼き払うことで寒さと霜を追い払うのだ。

9. セミョン・コジン「マースレニッツァ、冬にお別れ」、2001

 通常、マースレニツァの人形が燃やされるのは土曜日で、この日にお祭りは最終段階を迎える。そして、この絵は現代の芸術家が古代の祝祭を写し出したものだ。

10. コンスタンチン・クルィザノフスキー「ある農民一家の赦しを請う日曜日」、19世紀

 全部パンケーキを食べ終わり、マースレニツァの人形を焼いたら、赦しを求める時がやってくる。その時に誰にでもどんなことでも聞いてみてほしい。だれに尋ねても「神はあなたを許してくれる」という伝統的なフレーズが返ってくるだろう。このようにして、人々は自分の良心を浄化し、永遠の命に備えて魂を救うことを考えて、従順で謙虚な生活を実践する。