モスクワのベッドタウンに住む14歳のリョーシャは隣の学校に通うヴィーカに恋している。しかしその学校には、地域中で恐れられている憎むべきヤンキーも通学している。
映画では子どもたちの思春期の難しさとベッドタウンに住む人々の現実―灰色の高層アパートから学校のディスコや地元の不良少年同士の殴り合いのケンカまで―が描かれている。
主人公を演じるのは、監督のアンドレイ・ザイツェフがロシアのソーシャルネットワークVk(フ・コンタクチェ)を通じて募ったモスクワ郊外のティーンエイジャーたち。映画の境遇に合致した本物の若者を出演させることで、調和の取れた、生き生きした作品に仕上がっている。
大手銀行のトップマネージャーであるマックスにとって、モスクワはガラス張りのビジネスセンターと高級レストラン、クラブ、そして女の子と麻薬から成っている。しかし誰もが羨むキラキラと輝く理想の生活は、職場である罠にはめられ、また動物愛護と児童保護活動を行う学生に恋をしたことから崩れ始める。
ロマン・プルィグノフ監督と同名の小説の作者であるセルゲイ・ミナエフによれば、モスクワはコントラストに溢れた街である。夜のモスクワの魅惑的なイルミネーションと溢れんばかりの娯楽は、詐欺やお金と切っても切り離せないものであり、映画の主人公たちもまた酒や麻薬以上にこれらに翻弄されていく。
モスクワの大学の言語学部で学ぶ勤勉な学生イリヤ・ゴリュノフは麻薬を保持したという冤罪で7年間刑務所に収監されていた。人生をくじかれた若者は、自分を陥れたグループのリーダー格ピョートルを復讐しようと、メッセージや写真や動画が入った彼のスマホを手に入れる。イリヤはピョートルの人生を試しつつ、スマホの助けを借り、自分の人生をやり直そうとする。
ドミトリー・グルホフスキーの同名の小説を下敷きにこの作品を撮影したクリム・シペンコ監督(ロシア史上最大の興行収入を記録した「The Peasant」および「サリュート7」の監督でもある)は、モスクワは一握りのエリートによって動かされており、一般市民たちは金儲けと新たな役職を得るための餌食になっていると指摘している。
- もしもし、警察ですか?わたし、人を殺しました。
- なんだって?
- 人を殺したんです。
- パスポートはあるか?あるなら行こう。
ある男がパーティの途中で、薬物の作用により、窓から飛び降りるという事件が発生し、2人の友人はそこから立ち直ろうとする。1人は知人の死を自分のせいだと自己批判し、もう1人は人生において何を必要としているのか理解しようとする。
パーティでも、普通の生活でも、アレクサンドル・ゴルチリン監督が描くモスクワは灰色に彩られ、そこにいる人々は皆、正気なく、やる気もなく、モノトーンで変化のない生活から遠くに逃亡することを夢見ている。
モスクワは史上最大の降雪に見舞われている。キルギスタンからやってきた若い女性は自分の子どもを授乳することなく、産院から逃げ出す。アイカはミシン工場を作ることを夢見ていたが、望まぬ妊娠によってあらゆる計画を狂わされ、しかも彼女は借金のために命を狙われる。
セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督が描く冷たい雪に覆われたモスクワは、洗車場、寮、どうぶつ病院、そして不法な養鶏場のある世界である。アイカがお金を求めて転職するとき、彼女はモスクワでは、移民よりも動物の方が良い扱いを受けていること、そして街はただお金と力、時間や健康を奪うだけで、その代わりには何も与えてくれないことに気づく。
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