「ラララララ・・・」。ATCの大ヒット曲「Around the World」(2000)のシンプルなリフが2000年代、全世界を熱狂させた。この曲はドイツ、オーストリア、スイスでヒットチャートの1位を獲得し、イギリスやアメリカを含む他の多くの国々でもトップ20に入った。
しかし若い頃によく耳にしたこの曲について、おそらく誰も知らない奇妙な事実がある。そう、この曲、実はロシアで作られた曲なのである。タイトルは「ペーセンカ」(“小さな歌”という意)あるいは単に「ラララ」と呼ばれたもので、1998年にロシアのポップグループ「ルーキ・ヴヴェルフ!」(“手を挙げろ”の意)のリーダーであるセルゲイ・ジューコフによって書かれた。
それから1年後、ドイツの音楽会社BMGからセルゲイに連絡があった。英語のカバーバージョンを作るのでこの曲の著作権を売ってくれないかというのである。
「もう大笑いしたよ」とセルゲイは回想する。「だって、“ラララ”だよ(このバンドの他のヒット曲に比べて、この曲はロシアでは人気がなかった)。この曲のことなんてとっくに忘れてしまってたからね」。そして、そのまた1年後に広告代理店から、なんと86万ドル(およそ950万円)もの印税が支払われることになると聞いて彼はさらに驚いたという。
「最初は彼らが桁を1つ間違えたのではないかと疑ったよ。でもそれから3年の間に、この曲のおかげで我々は実際に150万ドル(およそ1億6,000万円)ものお金を受け取ったんだ」とジューコフは付け加えた。
「Around the World」の有り得ないサクセスストーリーは、2000年代で終わらなかった。今ではYouTubeで1億7千万回も再生され、20年間で30曲以上のカバーが作られた。英語バージョン、フランス語バージョン、ポーランド語バージョン、そしてディスコ、ラップ、ヘビメタバージョンまで作られている。
では、数あるバージョンの中から選りすぐりのものをご紹介しよう。
ラップバージョン
そして、Chevy Woodsバージョン (2015)
2011年のAuburn featuring Iyazのバージョンはよく注意して聞くと、耳慣れたメロディーが聴こえてくる。
スパイス・ガールズのメラニー・Cがベルリン・オーケストラ(!)と共演したオリジナル・カバー曲。
ヘビメタバージョンはないかって?もちろんあるよ!
フランス語バージョンならこちら。
ポーランド語バージョンはこちら。
そして、これが最新のカバーの一つ。