『ラスト・ツァーリ』の俳優vs. 実在の人物(写真特集)

カルチャー
オレグ・エゴロフ
 ネットフリックスの最新ドラマは、ロマノフ家最後の人々と彼らを取り巻く人々とを描いている。実際のところ俳優らは、彼らが演じる歴史上の人物と似ているのだろうか。

皇帝ニコライ2世(ニッキー)――ロバート・ジャック 

 ロマノフ朝最後の皇帝、ニコライ2世(演:ロバート・ジャック)は、『ラスト・ツァーリ』では惨めなまでに自信と国家運営能力とを欠く善意の人として描かれている。 

皇后アレクサンドラ(アリックス)――スサンナ・ハーバート

 愛に溢れる妻であり母であるが、彼女がロシアの現状を理解していないために国家は悲劇へと向かう。スサンナ・ハーバートが演じるアリックスは、史実通り、どこか神経質で、子供を懸命に守ろうとする女性として描き出されている。

グリゴリー・ラスプーチン――ベン・カートライト

 ベン・カートライトが演じるラスプーチンは、皇室に多大な影響を及ぼす謎めいた邪悪な人物だ。おそらく彼は残忍に描かれすぎている(1905年のロシアに生きるダースベイダーのように)。だが、俳優は彼の深く陰鬱なカリスマ性をうまく捉えているようである。

皇太子アレクセイ――オスカー・モーディー

 不治の病に苦しむ皇太子、おそらくロマノフ家で最も無垢で哀れな人物(『ラスト・ツァーリ』でも、史実でも)であるアレクセイを演じるのは、オスカー・モーディーだ。ただし彼の出番は、アレクセイがすでに十代の少年として登場する2つのエピソードだけだ。 

ピエール・ギラード――オリヴァー・ディムズデイル

 ロマノフ家の子弟のフランス人家庭教師で革命を生き延びたムッシュ・ギラードは、『ラスト・ツァーリ』のナレーターであり、オリヴァー・ディムズデイルが演じている。演技について何か言うことは難しい。ギラードは自分が目にしてきたことにとても怯えているようだが、これはおそらく真実だろう。

大公セルゲイ・アレクサンドロヴィチ――ギャビン・ミッチェル

 『ラスト・ツァーリ』では、セルゲイ・ロマノフは若きニッキーの性格形成に影響を与える残忍な支配者(史実と比べるとやや単純化されている)として描かれている。演じるのはギャビン・ミッチェルだ。

ピョートル・ストルイピン――ブライアン・マッカーディー

 ニコライ政権で最も卓越した宰相と考えられている不断の改革者、ストルイピン。彼を演じるのはブライアン・マッカーディーだが、出番は少ない。冷酷な目をした禿げ頭の首相は、劇中よりも実際のほうが乱暴そうである。 

ヤコフ・ユロフスキー――ダンカン・パウ

 ダンカン・パウが演じるユロフスキーは、献身的なボリシェヴィキ党員で、ロマノフ家の運命に不吉な影を落とす役回りだ。この人物の写真はあまり残っていないため、劇中の彼が実物に近いのか判断は難しい。とはいえ任務の遂行のために手段を選ばない無情で冷酷な男を演じるパウの演技は、真に迫るものがある。