1.バルテネフは「ある日、わたしは自分自身、好奇心、そして興味といったものをわたしのイメージの向こうに隠すことができるということに気づいたんです」と話す。ロシアの保守的な人々でさえも、どうやらすでにアンドレイ・バルテネフのスキャンダラスなファッションに慣れたようである。
2.バルテネフはシベリアのノリリスク生まれ。冬が9ヶ月続き、その内の2~3カ月は極夜により、太陽がまったく顔を出さない街である。写真からも分かるように、ロシアの暗い冬に対比するファッションである。
3.バルテネフは酷寒の産業都市ノリリスクから黒海沿岸のリゾート地、ソチに引っ越した。そこで演出家を目指して学び、芸術大学を卒業した。
4.サンクトペテルブルクの劇場で働き、しばらく絵画の教師をしていたが、やはりパフォーマンスが自分の一番やりたいことだと思うようになった。
5.バルテネフは幅広い目的意識を持つアーティストで、デザイン、ファッション、ダンス、演劇、絵画、彫刻、パフォーマンスなどさまざまなジャンルで活躍している。
6.ショーではひとり何役もこなす。衣装、舞台装飾、演出、そして脚本まで手がけている。
7.バルテネフの芸術のエネルギーは蛍光色で表現され、群衆の中でも際立っている。一方で普段着ではグランジストリートファッション(着崩したファッション)も取り入れている。
8.曰く「いつもギリギリのところで実験している」。ギャラリーやファッションカルチャーが興り、レイブ的な動きが牽引的な要素を持つことが多くなった時、バルテネフさんはパフォーマンスを準備し、重要な公的イベントには必ず顔を出した。
9.最初に大きな成功を収めたのは1992年。「ボタニカル・バレエ」というパフォーマンスは世界的な話題を呼び、ラトビアで開かれた大規模なアートフェスティバルでグランプリを受賞した。
10.以来、バルテネフはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やニューヨークのグッゲンハイム美術館など世界的に有名なミュージアムでパフォーマンスを行った。またヴェネツィア・ビエンナーレのロシア館では個展を行い、アメリカの実験的演出家で劇作家のロバート・ウィルソンとコラボレーションした。
11.モスクワの個展では自身の後継者である弟子たちの作品を展示する。パーティはまだまだ終わりそうにない。
12. 2018年10月、バルテネフの実験的スタイルはもうひとつのヨーロッパの芸術協会にも認められ、イギリスのアーティスト、アンドリュー・ローガンが生んだ「オルタナティブミスワールド」というファンシーなドレスのコンテストで優勝した。
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