ロシアに関する12の外国の歌:あなたは好き?嫌い?

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 「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」、「ウィンド・オブ・チェンジ - Wind of Change - 」その他、「母なるロシア」にインスパイアされた欧米の歌を集めてみた。よかったらあなたのプレイリストにどうぞ。

1. マット・モンロー「ロシアから愛をこめて」、1963

 1963年、007シリーズ第2作『007ロシアから愛をこめて』が公開され、世界のファンは興奮。ショーン・コネリーとダニエラ・ビアンキが共演した。ビアンキは、ロシアから来たボンドガールという設定で、以来、007は美貌のロシア女性に何度か魅了されている。この映画は、血沸き肉躍るプロットだけでなく、マット・モンローが歌う同名の、いまや古典となったテーマ曲でも記憶されている。

2. ビートルズ「バック・イン・ザ・U.S.S.R. (Back in the U.S.S.R.) 1968

 ポール・マッカートニーは2003年に初めてロシアを訪れ、モスクワの「赤の広場」で超満員の観衆を集めてコンサートを行った。そのはるか以前の1968年に彼は、ビートルズの最も有名な曲の一つを書いている。当時ビートルズは解散寸前の状況で、この曲の録音の過程でも多くのスキャンダルが起きた。結局、1968年11月にリリースされたアルバム『ザ・ビートルズ』(通称『ホワイト・アルバム』)の冒頭に収録された。

 

3. ボニーM「怪僧ラスプーチン」、1978

 ラ-ラ-ラスプーチン…。最初に超有名になったのは、“怪僧”グリゴリー・ラスプーチンか、それともこの彼についての歌のほうか、定かではない。ラスプーチンは悪名高き、神秘のベールに包まれた神秘主義者で、ロシア最後の皇帝ニコライ2世の友人だった。国政を左右した“灰色の枢機卿”(カトリック風に言えば)だったとか、皇后アレクサンドラの愛人だったとかということを含め、多くの風聞、逸話がある。

 

4. ジンギスカン「めざせモスクワ」、1979

 ドイツ人は、この素晴らしいキッチュを聞いたときに大いにビビったものだが、ロシア人のほうは、とくに1980年代の世代は、これが気に入り、暗記しているほどだ。ロシア人が好きな、このグループのもう一つのヒット曲がある。グループと同名のシングル「ジンギスカン」だ。ロシアを侵略したモンゴル帝国の、かの有名なハンにちなんで命名されている。これ以上ヤバい名前はないかも。

5. ビリー・ジョエル「レニングラード」、1988

 ペレストロイカ初期の1987年に、アメリカのベストセラーミュージシャンの一人、ビリー・ジョエルは、ソ連で一連のコンサートを行った。同年に彼は、ビートルズの 「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」のカバーを含むアルバム「コンツェルト-ライヴ・イン・U.S.S.R.-」(コンツェルトは、コンサートのロシア語)を録音している。

 ソ連訪問でインスパイアされたジョエルは、レニングラードを含むアルバム「ストーム・フロント」を制作。彼はこの歌の中で、自分の生涯と、自分の5年前に、つまり1944年に生まれたロシア人――戦争の時代の子供――のそれとを比べている。

 

6. スティング「ラシアンズ」(Russians)、1985

 スティングのデビューソロ曲の一つで、西欧とソ連の双方に戦争の危険を警告している――子供たちの未来が危機に瀕していると。スティングはロシアの有名なジャーナリスト、ウラジーミル・ポーズネルからインタビューを受けた際に、ソ連の子供たちのテレビ番組を衛星を通して違法な形で見たときに、彼らが親切で温かみがあるのに驚き、それに触発されてこの曲を書いたと語った。

 

7. スコーピオンズ「ウィンド・オブ・チェンジ - Wind of Change - 」、1990

 ドイツのロックバンド「スコーピオンズ」は常にロシアで愛されてきた。ペレストロイカに捧げられたこの曲は、何百万人もの心を奪った。「ベルリンの壁」が崩壊した直後、そしてソ連崩壊の直前にリリースされた。「変化の風」は文字通りヨーロッパ全体に感じられていた。

 

8. マイケル・ジャクソン「ストレンジャー・イン・モスクワ」(Stranger in Moscow)、1993

 ソ連時代、音楽ファンはそんなに選択の余地がなかったから、ソ連崩壊後、1990年代には大きな変化が起きた。欧米のスターたちが次々に訪れ、あちこちでコンサートを開き、熱狂的に迎えられた。とくにポップアイドルのマイケル・ジャクソンがやって来たときには大変な騒ぎだった。

 彼がモスクワを初めて訪れたのは、雨がちな秋のことで、コンサートも雨に見舞われた。ジャクソンはホテルの一室で、「ストレンジャー・イン・モスクワ」を作曲した。そこには、冷たく陰気な都市モスクワ、KGBのエージェント、暗いソビエトの過去の影についての彼の思いが反映している。

 

9. ダーク・ルナシー「Heart of Leningrad」、2006

 イタリアのこのメロディックデスメタルバンドも、レニングラードに触発されている。しかしこの作品は、ビリー・ジョエルの曲と本質的にそれほど異なるものではなかった。カジュアルなリスナーには見分けにくいかもしれないが、ソ連の文化と歴史を称賛しており、革命、二つの世界大戦、そしてレニングラード包囲戦などの悲劇に焦点を当てている。いくつかの曲では、革命期の非公式な国歌「ドゥビヌシカ(Dubinushka)」のような有名な古い歌を引用している。

 

10. サバトン「Panzerkampf」、2008

 このスウェーデンのパワーメタル・バンドは、ロシア史にとても関心があるようだ。「Panzerkampf」はもっぱら、1943年にクルスク付近のプロホロフカで行われた大戦車戦に捧げられている。「同志たちはナチスの攻撃を食い止めるために隊伍を組んでいる」というフレーズが繰り返される。

 サバトンには、有名な、女性のみの夜間爆撃部隊(通称「夜の魔女」)に捧げられている。興味深いことに、ロシアとスウェーデンが戦った大北方戦争の行方を決したポルタワの戦いも、このバンドの題材になっている。

 

11. Abney Park「カチューシャ」、2013

 これは実質的に、ソ連の有名な軍歌「カチューシャ」のカバーだ。若い娘カチューシャが、恋人が戦争から無事に戻ることを祈っている。

 

川辺で彼女は恋の歌をうたう。

遠いところにいる彼女のヒーローを思い、

彼女がこんなに長く愛してきた彼のことを思い、

彼の手紙を握りしめて。

 

12. ロビー・ウィリアムズ「Party Like A Russian」、2016

 それからもう一つ…ロビー・ウィリアムズの忘れ難いヒット(そして仰天のビデオ)がある。我々は、ここであからさまに示されているようなステレオタイプは許容できないが、ロシアの偉大な作曲家セルゲイ・プロコフィエフの作品(『ロメオとジュリエット』)を新世代のリスナーたちに聞く機会を与えた点では感謝する。これは彼の有名な「Dance of the Knights」の一例だ。