"ガレージ"はダーシャ・ジュコヴァと彼女の元夫である億万長者のロマン、アブラモヴィチが企画したものである。2008年に建設された。現在の所在地であるモスクワ中心のゴーリキー公園には2年前に移転して来た。ソ連時代の古いレストランの建物を著名な建築家レム・コールハースが改築した。
この美術館には常設展示がなく、世界中の現代芸術の展覧会を開いている。
ここでアントニー・ゴームリー、マーク・ロスコ、レイモンド・ペティボーン、村上隆の大規模なプロジェクトが行われ、またフランソワ・ピノーのコレクションやその他の個人所有の至宝も展示された。
1億ドル――億万長者のヴィクトル・ヴェクセリベルグは、マルコム・フォーブスが集めた宮廷御用達の宝石職人カルル・ファベルジェの作品コレクションを購入するため、サザビーズの取引が始まる以前に、これだけの額を支払ったのだった。コレクションには、9つのユニークなインペリアル・イースターエッグや、今日ではサンクトペテルブルグ中心のシュヴァロフ邸の豪華絢爛な広間で見ることのできる200あまりの品々が含まれる。
ここではファベルジェや彼の職人らの作品だけでなく、イコンや銀器、食器、時計、宝石細工など、ヴェクセリベルグのために世界中から集められているロシアの宗教芸術、装飾・応用芸術の品々も展示されている。
屋敷の展示室では現在フリーダ・カーロからサルバドール・ダリまでの特別展を開催中。
かつて小麦粉の貯蔵庫であった建物は、英国のJohn McAslan + Partners事務所の努力により、昨年美術館へと生まれ変わった。これはビジネスマンのボリス・ミンツの注文だった。彼はいわゆるロシア印象派の画家たちのコレクションを収集しているが、フランスの革新者らと同じ時代を生きた画家たちだけでなく、現代の画家らの作品も集めている。
常設展示には、ヴァレンティン・セロフやコンスタンティン・コロヴィン、ボリス・クストディエフ、ピョートル・コンチャロフスキーの作品がある。特別展示は、各地の監督者が“ロシアの印象派画家”に加える人物に立脚して美術館が組織している。その中には、今までに例えばアルノリド・ラホフスキーやヴァレリー・コシリャコフといった画家らがいた。
20世紀初めの産業会館にある美術館は億万長者のアレクセイ・アナニエフによって開かれた。彼の嗜好が館名に反映されている。コレクションは、革命後の絵画や線画からスターリンからブレジネフ期のソ連の公式芸術であった“厳しい様式”までのソヴィエト時代の芸術をテーマとしている。このため、美術館はかなり暗い印象を与えるかもしれない。革命指導者らや共産党指導者らの肖像画は、ここではアレクサンドル・デイネカの赤い女子選手たちや、ゲオルギー・ニスキーとユーリー・ピメノフの幻想的な風景画と隣り合っているのだが。
2016年に急逝した収集家で芸術保護者のアスラン・チェホエフは、美術館と、それからソヴィエト時代の非公式の芸術および現代ロシアの芸術のコレクションを残した。彼の妻は精力的に施設の展示活動を続けている。
展示ではエヴゲーニー・ミフノヴァ=ヴォイテンコからオスカル・ラビン、ヴラジーミル・ネムヒンまで、ロシアのノンコンフォルミズム(社会規範に従わないこと)の色彩が貫かれている。イリヤ・カバコフ、グリシャ・ブルスキン、AES +Fなどの現代の生きる巨匠たちの作品もある。
www.novymuseum.ru (ロシア語のみ)
創立から現在に至るまで、ここはロシアで唯一の、入場料を取らない私立博物館である。2016年に、はや創立10周年を迎えた。
開発者ミハイル・アブラモフによって創設されたこの美術館のコレクションには、5000以上の展示品がある。内容はイコン、教会の刺繍や鋳造物、木製の宗教的な彫刻で、ロシアのものだけでなく、ビザンツやビザンツ後のギリシアの芸術作品も含まれる。エチオピアのキリスト教芸術のコレクションもある。
モスクワで最大の私立展示空間はヴラジーミル・セメニヒンとエカテリーナ・セメニヒナによって創建された。彼らはここで、折衷的な至宝(19世紀のロシアのアカデミズムから、現代芸術の世界的なスターまで)や、また例えば《グレース・ケリーの時代》や《サメたちと人類について》などの輸入品のヒット作を展示している。
ここではヴァリー・エクスポートやアンドレアス・グルスキー、デヴィッド・リンチやアンネット・メサジェ、その他多くのロシアと欧米の画家の展示も行われたことがある。
ペテルブルグのもう一つの私立美術館が、展示広間としても、劇や音楽のパフォーマンスをする場としても機能している。そのコレクションには、戦後から現代までのロシア人作者らによるおよそ3000の作品がある。表現方法は絵画や彫刻からビデオアートまで大変幅広い。同時に最大5つの特別展示を行うことができるため、各自が好みに合った芸術を見つけ、ロシア現代芸術を学ぶことができるだろう。
ここでは実にさまざまな展覧会が行われる。これは基金の管理者、インナ・バジェノヴァの折衷的な精神に対応している。彼女は英国の名高い新聞The Art Newspaperの所有者だ。彼女のコレクションでは、中世の祭壇がモーリス・ユトリロの風景画と、また一方でロココ時代のフランソワ・ブシェの絵画とノンコンフォルミストのミハイル・ロギンスクとが、見事に調和している。
この基金は最近では、ニコライ・ハルジエフのロシア・アヴァンギャルドに関する有名なアーカイブの展覧会や、また彼のコレクションをテーマにした出版を企画している。
この美術館はアナトリー・ズヴェレフという一人の芸術家だけを扱っている。彼は1960年代から80年代にかけてのロシア芸術のアンファンテリブルであった。単一テーマの施設をオープンするという勇気ある一歩を踏み出す決心をしたのは、収集家のナタリヤ・オパレヴァ。
美術館には常設展示はない。つまり、“凍り付いた”展示品がないということだ。展示は年に何度か変更されるが、展示の中にはズヴェレフの感情豊かで抽象的な絵画だけでなく、現代画家による相互作用的な装置も含まれる。
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