ロシア人になった外国の有名人8人

Maksim Blinov/RIA Novosti
 「故郷とは自分の心のある場所」という人気のことわざがある。ロシアに自分の心を見いだしたアスリートや著名人がいる。なぜロシアを選んだのか。

 ウラジーミル・プーチン大統領は17日、オーストラリアの自転車競技選手で、ロンドン五輪で銅メダル、世界選手権で2つの金メダルを獲得しているシェーン・パーキンスさんに、ロシア国籍を与えた。パーキンスさんにはロシアに親戚がいるわけではない。オーストラリア代表入りを目指したものの、入ることができなかったため、ロシア国旗のもとで実力を証明することを決めた。

 ロシア国籍を取得した外国人はパーキンスさんが初めてではない。ここ20年で、数々のスポーツ選手や有名人に国籍が与えられている。その中にはどんな人がいるのだろうか。

 

川口悠子(2008年)

川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ=AP川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ=AP

 日本出身のフィギュアスケーター川口悠子さんは2008年、子どもの頃から夢見ていた五輪の舞台を目指し、ロシア国籍を取得した。元々は女子シングルの選手だったが、エレーナ・ベレジナヤ選手にあこがれ、ロシアのタマーラ・モスクヴィナ・コーチに指導を求めた。そしてアメリカにわたり、ペアの選手となり、その後サンクトペテルブルクに来ることになった。

 2006年にアレクサンドル・スミルノフとペアを組み、2010年バンクーバー冬季五輪の出場を目指して2008年にロシア国籍を取得した。2人はヨーロッパ選手権で2度優勝し、世界選手権で銅メダルを2度獲得している。現在もスミルノフと活動を続けており、引退は予定していない。

 

ヴィック・ワイルド(2011年)

ヴィック・ワイルド=ミハイル・モクルーシン/ロシア通信ヴィック・ワイルド=ミハイル・モクルーシン/ロシア通信

 アメリカ出身のスノーボーダー、ヴィック・ワイルドさんは2011年、ロシア人スノーボーダーのアリョーナ・ザヴァルジナ選手と結婚したのを機にロシア国籍を取得した。決断の大きな理由は、アメリカ・スキー・スノーボード協会(USSA)が自分の専門であるパラレル大回転とパラレル回転の優先順位を低くし、資金提供をあまり行っていなかったこと。2014年ソチ冬季五輪ではロシア代表として金メダルを獲得。2018年平昌冬季五輪に再びロシア代表として出場する。

 

安賢洙(2012年)

安賢洙=ウラジーミル・トレフィーロフ/ロシア通信安賢洙=ウラジーミル・トレフィーロフ/ロシア通信

 安賢洙さんは2011年、韓国スケート連盟の代表選考から外れ、競技を続けたいとの思いから2012年にロシア国籍を取得した。韓国代表として金メダルを3個獲得していたが、ヒザのケガがあり、また代表争いも熾烈だったことから、連盟の対応が不十分になった。ヴィクトル・アン選手(安賢洙選手のロシア名)は、2014年ソチ冬季五輪では金メダルを3個獲得。2018年平昌冬季五輪にはロシア代表として出場する。

 

ジェラール・ドパルデュー(2013年)

ジェラール・ドパルデュー=エフゲニー・ビヤトフ/ロシア通信ジェラール・ドパルデュー=エフゲニー・ビヤトフ/ロシア通信

 フランスの有名な俳優ジェラール・ドパルデューさんは、富豪に対する重税を回避するため、フランスを出国し、ロシア国籍を取得した。国籍以外に、チェチェン共和国とモルドヴィア共和国の行政中心地サランスクのマンションをプレゼントとして受け取っている。

 サランスクで映画・文化センターを開設し、ロシアの映画やテレビ番組に出演するなどしていたが、ベルギーで生活するためにマンションを売却したという。

 クリミアでワイン醸造所を買収するために、当地を訪れる予定だとの話も伝えられている。

 

ロイ・ジョーンズ・ジュニア(2015年)

ロイ・ジョーンズ・ジュニア=グリゴーリイ・シソエフ/ロシア通信ロイ・ジョーンズ・ジュニア=グリゴーリイ・シソエフ/ロシア通信

 アメリカのプロボクサーで4階級のチャンピオン、ロイ・ジョーンズ・ジュニアさんは2015年、プーチン大統領と会った際にロシア国籍の取得を希望した。「ロシア国民になりたい。ロシア人が私をそうであるように私もロシア人を愛している。国籍の取得によってロシアとアメリカの架け橋になれる」と申請書に書いた。

 ロイ・ジョーンズ・ジュニアさんがロシアでそれなりの時間生活し、公約を果たすことを条件に、国籍が与えられた。2015年、モスクワ市郊外のヒムキ市にボクシング学校を開校した。また、モスクワ州のオディンツォヴォ市でも開校する予定。48歳のロイ・ジョーンズ・ジュニアさんはプロのキャリアを続け、2月にはアメリカのデラウェア州ウィルミントンで開催された世界クルーザー級でボビー・ガンさんと対戦し、勝利している。

 

田川洋行(2016年)

田川洋行=マクシム・ブリノフ/ロシア通信田川洋行=マクシム・ブリノフ/ロシア通信

 アメリカの日本人俳優ケイリー・ヒロユキ・タガワさんは、「モータルコンバット」などの映画で有名である。ロシア国籍を取得しただけでなく、その前にロシア正教会で洗礼を受けている。

 ロシア映画「イエレイ・サン(司祭さん)」に2013年に出演した際、ロシアの魂と正教の教えに強い感銘を受けた。「ロシア人の神への信仰心はとても強い。他では見たことがない」と2016年に記者団に語っている。

 最近では、アメリカ映画「スカイ・シャークス」に出演している。2015年、ロシアのテレビ番組「結婚しましょう」に出演。新しいチェチェンのアクション映画に主役で出演することも検討している。

 

スティーヴン・セガール(2016年)

スティーヴン・セガール=アレクセイ・ドルジーニン/ロシア通信スティーヴン・セガール=アレクセイ・ドルジーニン/ロシア通信

 ハリウッドスターで合気道の達人スティーヴン・セガールさんは2016年、プーチン大統領からロシアのパスポートを受け取った。プーチン大統領を「今日生きている、世界最高の指導者でなくとも、世界最高の指導者の一人」と言い、ロシアを定期的に訪れ、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長と会談し、ウラジオストクで開催された「東方経済フォーラム(EEF)」に出席している。

 ロシア国籍を取得してからは、ロシアの電気通信事業者のCMに出演しており、小売企業の経営パートナーになったと伝えられている。だが、ロシアに定住する予定はない。「ひんぱんにロシアに来るが、永住する予定はない。旅行が好きだし、アメリカ、日本、タイなどで多くの撮影がある」と3月にロシアのメディアに語っている。

 

ジェフ・モンソン(取得待ち)

ジェフ・モンソン=アレクセイ・フリーポフ/ロシア通信ジェフ・モンソン=アレクセイ・フリーポフ/ロシア通信

 アメリカの総合格闘家ジェフ・モンソンは、2015年にロシア国籍の取得申請を提出した。ロシアのメディアによれば、現在手続き中だという。本人は10月までに受け取れればと期待している。また、ルハンシク人民共和国(ウクライナ東部)の市民にもなっており、将来的にはロシアで暮らそうと計画している。青年とスポーツでかかわった経験を活かして、ロシア連邦共産党に入党することを希望している。

 「ロシアに来るようになって5年。一目惚れだった。すぐにここが自分の家であると心の奥深くで感じた。自分自身、自分のまわりのどちらも満たされ、落ち着けると感じる場所」と2015年にロシアNOWのインタビューに答えている。

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