名指揮者ユーリー・シーモノフ=
ウラジーミル・ヴャトキン/ロシア通信海外にロシア文化を広く紹介する大型プロジェクト「ロシアの季節」。プーチン大統領の肝いりで、6月から1年間にわたり、日本で開催されているが、元祖「ロシアの季節」が初めて開催されたのは、もう100年以上も前で、開催地はフランスだった。ところがこの伝統は20年代末に途切れてしまう。しかし今やそれは次第に復活し、他国の人々をロシア文化に近づける可能性を与える。それはつまり、諸外国との関係を深める助けになるということ。
名指揮者ユーリー・シーモノフ(76)は、首席指揮者兼芸術監督を務めるモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団を率い、「ロシアの季節」の一環として、東京でコンサートを行うが、その前に、ロシアNOWのインタビューに応じた。海外でロシア文化の精華を示す伝統の復活がなぜ重要か、それがいかに露日両国民の交流に寄与するか、などについてシーモノフは語った。
シーモノフの考えでは、「ロシアの季節」の復活がとくに重要であるわけは、「政治よりも文化に興味をもつ人がいるから」。今や、そういう人の数を増やし、ロシアと他国のインテリや、文化に関心をもつ人たちの関係を深めるチャンスが到来しているという。
「『ロシアの季節』が、欧米でも、ロシア文化を身近なものにするのに寄与し、 その結果、これらの国々の理念、イデオロギーが近づけばいいなと思います」。シーモノフはこう述べた。
この指揮者が初めて来日したのは、1970年の大阪万博のとき。首席指揮者として、「ボリス・ゴドゥノフ」(ムソルグスキー)、「ホヴァンシチアーナ」(同)、「エフゲニー・オネーギン」(チャイコフスキー)、「イーゴリ公」(ボロジン)などのオペラの公演を行なった。以来、来日の回数は20回以上におよぶ。
日本でのモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の公演は、6月27日に始まっている。28日には東京で、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」を上演するほか、新潟、福岡、山口、宮崎、大阪など日本各地で、リスト、ショパン、チャイコフスキーなどの作品を演奏する。
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