クレムリンからソ連が消える

写真提供:ウィクトル・ワセニン, ロシア新聞

写真提供:ウィクトル・ワセニン, ロシア新聞

モスクワ・クレムリンの大改築プロジェクトが浮上している。近い将来、その外観はガラリと変わるかもしれない。大統領官邸はそのまま置かれるが、大統領府の事務局や管理局の一部が入っていた第14棟(2011年から行われていた改修工事は現在中断している)は撤去され、今よりも観光客に解放される可能性がある。

ロシア政府の要塞から屋外博物館に 

 クレムリンの要塞司令官であるセルゲイ・フレブニコフ中将は、「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」の取材に対し、クレムリンが近い将来、ロシア政府の要塞から、屋外博物館に変貌すると話した。「この記念施設にとっては良いこと。公用車からかかる負荷と、観光客に対する業務的な制限が減る」。クレムリンはそれでも、大統領官邸に変わりはない。ここには必要なインフラすべてがあり、他の場所に創設することには無理があるからだ。

 最近の新たな動きは、クレムリンのシンボル、スパスカヤ塔の開放である。「これで来訪者にとって便利になった。クレムリンに入り、クタフィヤ塔を通って、博物館や聖堂、他の観光スポットを見学し、タイニツキー庭園を通って、スパスキエ門をくぐり、赤の広場に出る」

 改築後は壁沿いに散歩することも可能になる。「ボロヴィツカヤ塔からタイニツカヤ塔までの壁の部分を開放し、歩行者専用にする。この場所からは救世主ハリストス大聖堂、モスクワ川河畔区、クレムリン大会宮殿の美しいパノラマが広がっている」

 現在クレムリンの来場者数は1日9000~1万2000人。新しい入口施設の建設によって、セキュリティーチェックの時間も短縮された。「プロの写真家や技師向けの動画や写真の撮影規定が最大限に簡略化され、許可は通知式になっている」。また、春から秋にかけて、開場時間が1時間早く、閉場時間が1時間遅くなっている。

 

帝政ロシア時代の姿が甦るか 

 団体客はクレムリンでもっとも高い鐘楼であるイヴァン大帝の鐘楼にものぼることができ、最近改修されたばかりのクレムリン大会宮殿にも入ることができる。

 クレムリンの名誉衛兵隊の演出には、より深みが増している。「騎兵隊および歩兵隊が毎週土曜日に大聖堂広場で交代セレモニーを行うようになってから、今年で10年になる。すでに伝統となっている」

 変化は将来的により顕著になるかもしれない。1930年代に建設された第14棟を撤去し、以前の奇跡修道院および昇天修道院を復元する案が、現在検討されている。これが実現すると、革命前の帝政ロシアの姿がよみがえる。ただ、大改築プロジェクトが実現するかどうかは今のところわからない。それまで第14棟の場所には、タイニツキー庭園の一部となる小公園があらわれるのみとなるだろう。