ゲームに登場するおかしなロシア人

外国の開発者のコンピューター・ゲームに登場するロシア人は、固定観念にもとづいたキャラクターが多く、現実とはかけ離れていることも多い。そんな強烈ロシア人が出てくるゲームを、ここに集めてみた。

グランド・セフト・オート(車両重窃盗罪)

 グランド・セフト・オートに出てくるロシア人ここで挙げないわけにはいかない。第2作にはなぜか共産主義のシンボルである、赤い星をかかげたロシア・マフィアが 登場。マフィアらしからぬ「同志」という呼称も使われる。暗殺と兵器の販売を仕事とし、あらゆるゲームのなかで最も頑丈な車「ブルウォーク」に乗っている。この車はグレネードランチャー、手りゅう弾、火炎瓶の攻撃にも耐える。一味のカラーはやっぱり赤。このゲームに出てくるロシア人はみんな悪党だ。

 第4作に出てくるラジオ局「ウラジオストクFM」では、ロシアのアーティストのキノー、ゼンフィーラ、BI-2、ヴャチェスラワ・ブトゥソワのヒット曲も流れる。

 名セリフ「資本主義を望んでいるのか?資本主義をくれてやるぜ!」

 

レッド・アラート(赤色警報)

 1996年に発売されたレッド・アラートは、今やコンピューター・ゲームのクラシックになっている。ストーリーはこうだ。アルベルト・アインシュタイン は戦後すぐにタイムマシンを開発し、政権の座につく前のヒトラーを殺害するために過去に旅立つ。アインシュタインの善意により、ドイツはおとなしくなった が、代わりにヨシフ・スターリン率いるソ連がなぜか枢軸国ならぬ侵略国になって世界を脅かす。ヨーロッパとアメリカは、「赤の脅威」に立ち向かうために団結。ソ連の兵器はもちろん核爆弾。ところでこのゲームの続編では、共産主義を嫌うアメリカ人の悪夢が具象化されている。それは装甲戦闘熊だ。

 名セリフ「アイツをやっつけろ、撃て!」

 

ストリート・ファイター(街の強者)


 外国のゲームでソ連が良い国として描かれることはないが、良いロシア人に出会えることもある。

 1991年に発売された伝説的なゲーム、ストリート・ファイターIIに出てくるキャラクターは、そんなロシア人の一人だ。赤きサイクロンと呼ばれる体の大きなシベリアっ子のザンギエフは、ソ連のレスラー。白クマを相手に練習したと言われている。なぜかコサックダンスが大好き。

 このモデルとなっているのは、実在人物のビクトル・ザンギエフ(1962年-)。ソ連のフリースタイル・レスリングの選手で、ヨーロッパと世界のユー ス・チャンピオン、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国では6回の優勝経験を持ち、ソ連選手権のメダルを保持している。国際級フリースタイル・レスリングのソ連スポーツ・マスターでもある英雄だ。

 名セリフ「大統領閣下、ダンスがお上手ですね!」

 

コマンド&コンカー:レッド・アラート2(命令と征服:赤色警報2
ハーフ・ライフ2(半減期2


 ソ連人やロシア人のキャラクターにもっとも多い名前はイワンとビクトル。そして西側の人がしっかりと記憶している姓は、スターリンに次いでロマノフとラスプーチン。

 例えばコマンド&コンカー:レッド・アラート2には、ソ連閣僚会議議長アレクサンドル・ロマノフが登場する。帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2 世の親戚が、なぜかソ連の高官になっている。ロマノフ議長は助言者であるユーリーに操られながら、全世界社会主義同盟を築く。そしてソ連はアメリカに宣戦布告する。

 ハーフ・ライフ2に登場するグリゴリー神父は、グリゴリー・ラスプーチンがモデルになっているようだ。凶暴なゾンビのために祈りをささげながら罪を取り 払い、「アナベル」銃で煉獄(れんごく)へ送る。ゲームでは神父が「狂僧」と呼ばれているが、1966年のイギリス映画「白夜の陰獣」の原題「ラスプーチ ン:ザ・マッド・モンク」のマッド・モンク(狂僧)からきていることは想像に難くない。

 名セリフ「我、汝の光をそらすことなかれと祈らん。我に耳を傾けよ、我が汝のために泣き叫ぶ時、我の敵がしかけた汝の罠を跳ね返らせよ!」

 

コール・オブ・デューティ(理想を求めた叫び)


 この人気ゲームにはソ連やロシアのさまざまな人物が登場する。コール・オブ・デューティ:ワールド・アット・ウォー(理想を求めた叫び:世界大戦)のベ ンデッタ任務で狙撃手をしている、ソ連赤軍のヴィクトル・レズノフ軍曹もそんな一人だ。愛国的で強く、たくさんの功績をあげている。ただここに出てくるソ 連軍は驚くほど冷酷で、レズノフ軍曹はドイツ兵をドブネズミなどとののしりながら、一片の情も見せずに殺していく。スターリングラード包囲戦で仲間を殺された恨みを晴らすべく、ドイツ軍に復讐をしかける。

 名セリフ「私の父はスターリングラードの音楽家だった。ドイツ軍に占領されていたときも、父のバイオリンはコルサコフやスターソフなどのわが国の偉大なる音楽家の音楽で、人々の心を満たした。父が寝ている間にナチスは父の喉をかき切った」。