日本がグランプリだった今年の映画祭

日本の中野量太監督の映画「チチを撮りに」 =Press photo撮影

日本の中野量太監督の映画「チチを撮りに」 =Press photo撮影

第3回サハリン国際映画祭「世界の果て」が8月23~30日、ユジノサハリンスク市で行われた。プログラム編成者であるアレクセイ・メドベージェフ氏は、サハリンの映画祭についてこう話す。

 「子供時代から『島』という言葉が好きで、夢の響きだった。だからサハリンで映画祭を企画しないかと提案された時は、良き人々のための良き映画の島をつくれると思った。ロシアの新しい映画がこの場所で、アジアの優れた映画とひとつになった。映画祭のプログラムは多彩でとても魅力的にできたよ」。

  映画祭の大会の地理的条件が、メドベージェフ氏の当初の構想に反映され、質の高い映画を集める極東のフォーラムとなった。今年はロシア、日本、韓国、カザフスタン、タイ、スリランカ、フィリピンが映画を紹介。大会以外の豊富なプログラムには、アジアとイスラエルのアニメ、1分間動画、優れた監督の伝記映画、世界の名だたる映画祭の映画のコレクション「最重要」、児童用映画のコーナー「観覧車」などがあった。この映画祭はサハリンの行政にとって誇りであり、資金調達を含めた、極めて真剣な検討課題でもある。立派な賞金だけでなく、すべての観客に無料の鑑賞券も用意しなければならない。映画祭の審査員には、監督兼脚本家のパーヴェル・チュフライ氏、その仕事仲間の女優のヴィクトリヤ・トルストガノワ氏、作家のエヴゲニー・グリシュコヴェツ氏、モスクワ国際映画祭の受賞作「生きたい」の制作者の一人である、日本のプロデューサーの新藤次郎氏、カンヌ映画祭の受賞作「天注定」の監督である、中国の賈樟柯氏が顔をそろえた。

 今年のグランプリを受賞したのは、日本の中野量太監督の映画「チチを撮りに」。浮気をして家族のもとを去った父と、14年ぶりの再開を果たそうとした姉妹が、思わぬ問題に遭遇してしまう話だ。アーラ・スリコワ映画祭名誉理事賞と観客賞は、アレクサンドル・ヴェレジンスキー監督の映画「地理学者が地球儀を飲みつぶした」に贈られた。

 映画祭の統括プロデューサーであるアレクセイ・アグラノヴィッチ氏はこう話した。「業界人を相手にする他の映画祭とは異なり、『世界の果て』では映画、マスター・クラス(教室)、創作工房、会議などが各試写会の後で行われて、観客との触れ合いが続く」。

 

元記事(露語)

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる