写真提供:RIA Novosti archive, image #186141 / Nikolai Zaytsev
アールクチカ号は、1972年に建造されたばかりの新型原子力砕氷船で、全長は147.9メートルで23460トン。
ユーリー・クチエフ艦長以下、約200人が乗り組み、水上船として世界初の北極海横断と北極点通過を目指して、8月9日にムルマンスクを出航した。
8月15日に北緯85度に到達。厚さ3メートルの氷を砕きながら、17日午前4時に、ついに北極点に達した。極点の氷上にソ連国旗を掲げたのち、極点に15時間とどまって、一連の重要な観測、研究を行った。
北極海航路開拓のために
ロシアは帝政時代から、北極海航路の開拓に熱心で、砕氷船の建造でも世界をリードしてきた。北極海を航行してアジア、極東と、欧州、北米をつなげれば、イギリスなどが押えている喜望峰経由やスエズ運河経由の航路を使わずに済み、距離もずっと短くなる。
1899年には、大型砕氷船「エルマーク号」(全長98メートル、12000トン)を就航させたのをはじめとして、続々と砕氷船を配備した。これは冬季の海軍の活動を容易にする意味合いもあった。
砕氷船使わぬ実験も
ソ連時代になると、当初国際的に孤立していた同国にとって、北極海航路の重要性はさらに高まる。
1934年には、蒸気船チェリュースキン号で、砕氷船を使わずに同航路を航行する実験も行っている。
1957年にソ連は、世界に先駆けて、長期の航行を可能にする原子力砕氷船「レーニン号」を建造した。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。