写真提供:Gwafton
独ソ戦(大祖国戦争)終結からほどなく、中型セダンのGAZ-M20「
ポベーダ」(勝利)の生産が始まった。ソ連で初めてのモノコック構造の自動車で、5人乗りだ。
ソ連車で初のモノコック構造
フレームがないモノコック構造は、初め航空機で使われ始め、戦後、自動車や鉄道車両などにも用いられるようになった。
枠に板を固定するのではなく、外版そのものを強度部材に使い、卵や亀の甲羅のように丸みをもたせることで、強度を生み出す(例えば、日本の新幹線などがそれ)。
そのため、内部空間が広くなり、重量も軽くなる。ポベーダの最高時速は105キロ。46秒で時速100キロまで加速できた。
ポベーダは、ソ連製の自動車としては、海外で広く知られた初めての車種となった。
製造は1946年から1958年まで行われ、ポーランドでも、FSO社で1970年代までライセンス生産された。
ゴーリキー自動車工場(GAZ)
GAZは、歴史的にアメリカのフォード社との関係が深く、1929年に、フォードとソ連の共同事業として、現在の本拠地であるニジニ・ノヴゴロドで開業した。1932年に、市が作家マクシム・ゴーリキーにちなんでゴーリキー市に改名されたのにともない、社名も現在のものに変わった。
この工場で作られた最初のモデルは、フォード・モデルAをベースにした中型乗用車GAZ-Aと、フォード・モデルAAをベースにしたトラックシャーシのGAZ-AAだった。
やがて、GAZの技術者はフォードに頼らず、国産車の開発に取り組み、大戦のさなかに、戦後に製造される新モデルの開発に着手。
こうして大戦後まもなく46年に、 ポベーダの生産が始まることになる。
1950年代後半からは、ポベーダの後継モデルとして、中型セダンの「ヴォルガ」や、V型8気筒エンジン搭載の大型乗用車「チャイカ」(かもめ)が開発、製造された。
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