刊行:2013年3月
村山久美子著
東京堂出版
20世紀、バレエ界には多くのスーパースターが現れた。本書はその中でも際立つニジンスキー、ヌレエフ、マラーホフ、バリシニコフ、プリセツカヤなど10人を取り上げ、彼らの舞台だけでなく、その時代の芸術的環境などをあわせて語ることによって、その芸術に迫る試みである。
20世紀初頭に形成されたロシア派バレエの優れた教育システム「ワガノワ・メソッド」は進化しながら世界に導入され、多くの名舞踊家を生み出した。厳選された10人のダンサーは期せずして、大部分が「ワガノワ・メソッド」で育った。時代の潮流を切りひらいたダンサーたちの活動を通じて20世紀のロシア・バレエ史としても読めるものとなっている。
本書ではさらに森下洋子、熊川哲也、吉田都の日本人ダンサーについても取り上げられている。