ウラジーミル・ヴェルナツキー
父は貴族で、経済学者のイワン・ヴェルナツキー。母は、ロシア最初の経済学者であったマリア。最初、鉱物学を専攻したが、その関心は途方もない広がりを見せ、やがて地球化学、生物地球化学、放射線地質学、水文地質学など、科学の多くの分野の創始者となるに至った。
一元的宇宙論
このことからも分かるように、彼の関心は、地球とそれをとりまく宇宙を一つのシステムとして包括的に捉えることだった。そこには哲学的、あえて言えばオカルト的な関心も加わる。
彼によれば、地球の“膜”をなしている生物圏(バイオスフィア)は、やがて、人間の精神活動により、精神圏(ヌースフィア)なるものに進化するという。
あらゆる生物と物質を一元的、包括的に、一つのシステムとして把握するのが、ヴェルナツキーの宇宙学の基本的特徴だ。
ペレストロイカで再評価
1880年代の暗殺とテロの時代に育った彼は、政治的関心も高く、1905年革命では、立憲民主党に参加し、中央委員となっている。1908年に科学アカデミー会員。10月革命後もロシアにとどまり、革命政権に協力する。
ペレストロイカ期に、その業績と生涯が再び脚光を浴びるようになった。
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