モスクワ芸術座で「トゥーランドット」初演

写真提供:wikipedia.org

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1922年の今日、2月28日に、モスクワ芸術座で、ヴェネツィアの劇作家カルロ・ゴッツィの戯曲(1762)にもとづき、「トゥーランドット」が初演された。

 「トゥーランドット」は、演出家エフゲニー・ヴァフタンゴフ(1883~1922)が生涯に上演した最後の舞台となった。ちなみに、プッチーニの名高い同名のオペラ(1926年初演)も、この戯曲によっている。

 

残酷で美しい「謎かけ姫物語」 

 「トゥーランドット」は、アラビアからペルシャに広まっている「謎かけ姫物語」の一類型だ。

 古代中国の皇女が、彼女の絶世の美貌に惹かれて押し寄せる求婚者に謎をかける。謎が解ければ、結婚するが、解けなければ首をはねられる。無数の犠牲者のあとで王子カラフは、臆することなく求婚し、見事に謎を解いて、めでたし、めでたしのハッピーエンドとなる。

 

並行するプロット 

 他愛ないといえば他愛ないので、劇作家と作曲家はそれぞれに工夫を凝らしているわけだが、このモスクワ芸術座の場合は、メリル・ストリープが主演した映画「フランス軍中尉の女」(1981)のような仕掛けがなされている。

 つまり、俳優たちがトゥーランドットを演じるのと並行して、トゥーランドットとアデリマ(彼女の恋敵)を演じる女優が、カラフ役の男優に惚れてしまう。舞台では、この二つの恋愛がパラレルに進行することになる。