スピーチ・テクノロジー・センター(STC)のミハイル・ヒツロフ氏=コメルサント紙撮影
STCはソ連時代に多重通信の開発を担った生産合同「ダーリニャヤ・スビャーシ(遠隔交信)」の元職員らによって1990年にサンクトペテルブルグで創設。STCシステムは大統領府、連邦保安庁、内務省、国防省などで利用されている。
世界におけるスピーチ・テクノロジーとその成果の主要なプレーヤーを選ぶスピーチ・インダストリー・アワーズを今年はロシアの開発者が受賞した。
審査員らが評価したサンクトペテルブルクのスピーチ・テクノロジー・センター(STC)の成果として挙げられたのは、全国規模のフォノベース生体認識システムである。
審査員団は36カ国で音声測定の専門家らによって活用されているオーディオ・インフォメーション処理システムの最新版「SIS II」にも注目した。
この開発は、スピーチ・テクノロジーの利用に関連した刑法学の側面からの活動に必要なあらゆるものを包含している。
STCが編み出した音声生体認識技術「ボイスキー」は、今日、銀行や通信会社などで利用されている。オペレーターのコンピューター画面には、データベースから音声で人物を特定して提供する話者のすべての情報が瞬時に現れる。
仮に電話の話し手が銀行のブラックリストに含まれた人物なら、次の通話の際には「この顧客は信用できない」との警告を発する。
人相識別技術に基づくシステムは、スタジアムやコンサート会場といった集客場所での治安確保のために利用されている。
システム「スマートトラッカー」に用いられている技術は言語とは無関係であり、使用言語やなまり、方言は意味をもたないので、全世界で活用されている。
STCの執行責任者インノケンチイ・デメンチエフ氏は、開発を促進して国際市場へ支障なく進出するために、同社はロシア版シリコンバレー「スコルコボ」の支援を仰ぐことに決めたとしてこう述べた。
「私たちは極めてポピュラーかつこのうえなく重要な学術テーマに取り組んでいます。事は社会の治安に関わるものですから。スコルコボのおかげで納税や経営面の一連の優遇にあずかっています。2011年秋に私たちは同財団から約6000万ルーブルの助成を受けました」
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