ロイター/ボストーク撮影
ロシア外務省の情報・報道局は、「ユニセフは、2009年に計画していたプログラムを、2011年12月に完了した。特別なことは何もない」と述べている。外務省のデータによると、2009年から2012年にかけて、ロシア政府はユニセフの「キルギス、リビア、パキスタン、タジキスタン、ソマリ地域の国々」の子供を守るプロジェクトに、650万ドルほどを拠出している。
外務省は9月中旬にアメリカ国際開発局の活動停止を勧告した際、「ロシアは現在、援助する側に立っており、あらゆる国際機関の発展支援を受けることを拒むものとする」と発表した。
アメリカ国際開発局の時とは異なり、ユニセフの活動停止は寝耳に水というわけではなかった。ユニセフは今後別の形でのロシア政府との協力を模索して行く、とユニセフ・ロシア支部は発表した。
新たな協力関係を模索
21年間で、ユニセフのロシアでの活動形式は何度も変化した。当初連絡事務所だったものが、1997年に、ロシア政府との協力プログラムに取り組む完全な代表部に変わり、今年1月からは、在ジュネーブ・ユニセフ中欧・東欧・CIS諸国地域部署の管轄下に置かれる、ロシアとの提携担当事務所がモスクワで活動を始めた。
「今年の編成の目的は、国際発展において高まるロシアの役割を支援することだった」とユニセフは説明している。また、政府実施のプログラムを含めた、ユニセフのすべてのプログラムは、2011年末に政府の作業とともに完了し、以来、将来的な相互活動について、双方で話し合いが行われたと、ユニセフ代表のジョン・バッド氏は述べた。
ユニセフの代表部を閉鎖するという決定は、まだメドベージェフ氏が大統領を務めていた2009年9月4日に採択された。また、2012年から2013年にかけて、代表部を閉鎖し、ユニセフ・ロシア国家委員会の設立において、ロシア政府の支援をすることが計画されている。「これについて話すのは時期尚早だ」と、ユニセフ側は語っている。
最近5年間の活動
ユニセフはここ5年のロシアでの活動で、若年者のエイズ感染防止プログラム、少年少女育成プログラム、児童人権保護およびその国家政策作成プログラムに、4580万ドルを拠出したほか、紛争から避難してきた児童を中心に、北カフカスの児童の人権問題にも取り組んできた。
ユニセフ・プログラムの当初の終了計画は、これまでにも変更されたことがある。外務省が、ユニセフ中欧・東欧・CIS諸国地域部署のスティーブン・アレン署長の求めに応じて、集まった慈善事業費(約100万ドル)の活用の仕方、ならびにその他の経済的課題などを決めるために、活動が1年間延長された経緯がある。
ユニセフは活動最終日まで、ニジニ・ノヴゴロドの統合幼稚園、セルギエフ・ポサードの視覚・聴覚障がい児用児童園、サンクトペテルブルクの孤児回復センターおよび問題家庭児童用施設、また発達障がい児童を支援する、サンクトペテルブルク早期介入研究所の、5つのプログラムを続けて行く。
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