ビクトル・ベクセリベルク氏 =タス通信撮影
―ウラジオストックとAPEC CEOサミットの印象はいかがでしたか?
スコルコボ基金のテクノパークの責任者として、私は、ルースキー島のような完全な未開発地域がこれほどの短期間で、都市の新たな中心として開発されたのに感心しました。特に、教育·研究機関である極東連邦大学の新キャンパスがここに建設されたので、興味深いです。
わずか3年前に発表された大規模な計画が現実のものとなるのを見るのは非常に楽しいことですね。ここで達成された複雑なエンジニアリングは、ロシアが技術と建設の分野で、大きな可能性を秘めていることを示しています。
ルースキー島の新キャンパスが、サミット後どのように発展していくか、楽しみです。建物を建設することも大事ですが、知的で創造性のある雰囲気のある大学を作ることが、将来への鍵となります。
―スコルコボは極東連邦大学の発展に関わっているのでしょうか。
スコルコボと極東連邦大学は協力協定を結んでいます。我々は、積極的に大学の発展における次の段階に参加することを望んでいます。私にとっては、APEC首脳会議は、これからの協力をオーガナイズする良い機会です。
―APEC首脳会議についてどう思いましたか?
APECは、伝統的に政治色が強いのですが、今回は 「イノベーション」という言葉がほとんど全ての議論で出てきました。ビジネス、社会、文化的なテーマの議論でもそうでした。「イノベーション」こそ、21世紀の新しいアプローチであり、視点なのです。
今のところ、ロシアと西側との関係は、APEC諸国との関係よりも強いですが、我々は、様々な会談やプレゼンテーションを通して、アジアのパートナー諸国との関係が発展し、教育やイノベーションの分野で情報交換できるようになることを願っています。
私はサミットは成功だったと思います。ロシアはその経済的および知的ポテンシャルを証明しました。我々は将来に向けて重要な一歩を踏み出したのです。
―スコルコボの予算が今後3年間、カットされるという噂がありました。プロジェクトの資金をどのように調達する予定ですか?
その情報は間違っています。2015年まで、850億ルーブル(約2100億円)の予算が連邦政府によりスコルコボのために確保されています。
予算の使途は二通りに大別されることを強調しておきたいと思います。一つは、スコルコボにおけるイノベーションと教育の環境整備です。それは、研究者、企業へ我々が提供している助成金および、スコルコボの成果を広め、新たな研究者を誘致するための予算です。
二つ目は、スコルコボの建設や都市開発計画を実現するためのものです。現在、我々はエンジニアリングや交通インフラを建設中で、来年は、住宅や研究棟の建設を始めます。
スコルコボは、世界的なトレンドである「知的都市」のコンセプトに基づいて計画されています。我々はパイロットプロジェクトとしての役割を果たし、我々の経験を21世紀の都市を構築している他の人々と共有できるようになればと思います。
―あなたは今年初めに日本を訪問しました。スコルコボと日本との協力は、それ以来、どのように発展してきましたか。
訪日では、スコルコボ関連のイノベーション分野での協力関係を構築すること、そしてそれが、政治的にも日露間の優先的議題となることが、我々にとって非常に重要でした。私たちは、日本の大企業といくつかミーティングを持ちました。
そのとき結ばれた興味深い契約の一つは、ロシアのFSK社といくつかの日本の企業との間のものでした。FSK社(ロシア連邦送電公社)は、ロシア初の地下変電所を作りました。都市の中心部のための革新的な送電システムです(*例えば、日立グループは,送電網の効率を高め電力損失を最小限に抑える革新的なスマートグリッド技術において、FSK社と協力する)。
変電所はすでにスコルコボで建設されており、10月に送電が開始されます。
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