キリル総主教、訪日を終えて

=セルゲイ・ピャタコフ/ロシア通信撮影

=セルゲイ・ピャタコフ/ロシア通信撮影

9月14日から18日まで日本を訪れた、ロシア正教会の最高指導者、キリル総主教は、ロシアと日本が二国間関係の新たなページをめくる時が訪れたと述べた。

「今こそ、両国関係の新たなページを書き記す時だと思っています。対立を続けることもできますが、我々が共に生き、一つの運命で結ばれていることに気づく時がやってきたと思うのです。自然災害や、その他の悲しいあるいは喜ばしい状況が等しく訪れる、ひとつの地域に我々は生きているのです」。キリル総主教は、9月18日に東京でこう述べた。

天皇陛下との会見:「正教会はロシア人と日本人の心のかけ橋」 

総主教は、天皇陛下と会見した後、記者団に報告を行った。「天皇陛下とは、さまざまな意見の交換を行うことができました。今日まで残り、発展を続けている正教会を日本に建てた、亜使徒聖ニコライの功績の意義についてお話しいたしました。正教会はロシア人と日本人を結ぶ、心のかけ橋であることは間違いありません。聖ニコライが日本で成し遂げたことは奇跡のようです。比較的短い期間で教会を建設しました。この教会は、正教の教義や宗規に則ったものであると同時に、日本人の真の文化的生活に溶け込み、その精神においても、文化的形態においても、その本質においても、外国のものではありません。これは日本人の正教会なのです」。

野田首相との会談 

野田首相との会談では、総主教は日本人の温かい歓迎に感動したことを伝えた。「私は聖ニコライ列聖40周年記念で来日しました。日本の正教会は国内では少数派の教会ですが、最も困難な時にあたっても、両国民の関係発展に寄与しています」。

野田首相は、ロシア正教会は「日露関係の要だ」と会談で述べた。

会談のなかでは、国際関係における精神的なものの意義に話がおよび、「心のつながりが基本です。これがなければ国民の間の関係は強固なものとなりません」と総主教は述べた。

総主教は、日本とロシアが共に、最良の両国関係を築くべく進む必要があると考えている。このような努力の一例となるのが、総主教が8月に調印したばかりの、ロシアとポーランドの共同声明だ。

この共同声明のなかで、キリル総主教とポーランド司教協議会ヨーゼフ・ウィチャリク会長(プルゼミスル大司教)は、両国の信仰者に向けて、「双方が関わってきた過ち、不正、全ての悪について赦しを求める」よう呼びかけた。
 総主教は、野田首相による両国関係強化の努力への支持を表明した。

「和食の衝撃」

また総主教は、日本とロシア、さらには世界各国との関係の強化における、日本食を中心とする日本文化の意義を高く評価した。

「私が日本食に衝撃を受けたのは、はるか昔の1969年でしたが、それは感動という衝撃でした。日本食は日本文化の重要な部分で、世界では日本の優れた外交役となります」。

総主教は18日に日本訪問を終え、ウラジオストク行きの飛行機で帰国した。4日間の滞在で、日本の複数の都市をまわりながら、地元の正教会でミサを行ったり、日本人の聖職者に教会の賞を与えたりした。今回の総主教の訪問は、ロシアから日本に渡って正教会を建設した宣教師、亜使徒聖ニコライ・カサートキンが死去してから100年となるのに合わせて実現され、最終日となる18日に、天皇陛下と会見した。