ルナ2号の写真
ルナ2号は、ソ連が月面着陸を目指した「ルナ計画」の2号機で、月の表面に到達した最初の宇宙船となった。
太陽風も確認
月との「出会い」の瞬間は、ソ連内外の天文台が観測しており、14日に砂塵が上がるのが撮影されたあと、通信が途絶えた。着陸はハード・ランディングで、高速で「晴れの海」に衝突したと推測される。
ルナ2号は、シンチレーション検出器、ガイガー=ミュラー計数管、磁力計、チェレンコフ放射検出器、流星塵検出器などを積んでいた。
主な科学的成果は、ルナ1号が検出した太陽風を確認することができたことだ。
ペナント
ルナ2号は、ソ連のサッカーボール状のペナントを二つ積んでいた。球のなかには爆薬が仕込まれていた。球のまわりをステンレスでできた多数の五角形がぐるりと覆っており、爆発で、そのひとつひとつが飛び散る仕組み。個々の五角形の片面には、ソ連の国章とСССР(ソ連)という文字が、もう片面には、СССР СЕНТЯБРЬ 1959(ソ連、9月、1959)という文字と数字が刻まれていた。
月着陸の翌15日、ソ連最高指導者のニキータ・フルシチョフはアメリカのアイゼンハワー大統領にペナントのレプリカを贈った。
相次ぐ快挙
ルナ2号の月着陸は、ルナ計画の重要な里程標となった。ソ連と、その宇宙開発を担ったロケット開発指導者セルゲイ・コロリョフのコロリョフ設計局(現エネルギア)にとっては、人工衛星スプートニク1号打ち上げに続く快挙となった。
やがて、1961年には、ユーリー・ガガーリンによる世界初の有人宇宙飛行、60年代半ばには、現在まで半世紀近く使われ続けている大推力のプロトン・ロケットの開発と、月征服に向けて着々と布石が打たれていった。
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