人生はゲーム!

=タス通信撮影

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新しいゲーミフィケーション(gamification=ゲーム化)のトレンドが、世界的な現象になっている。専門家によると、2014年までに、商品市場の顧客向けゲーム・サービスが、フェイスブック、イーベイ、アマゾンなどを追い抜き、空前の可能性を人々にもたらすという。

ゲーミフィケーションの発祥の地はアメリカだ。ソーシャル・メディアやゲームの要素と調和するような、新しいマーケティングの方法が分析された2010年下半期、この言葉が現れた。従来のプレミア・バッジや割引クーポンの代わりに、自分のボーナス・システム、またメーカーとのインタラクティブや、実際のコミュニケーションなどが用意されたネット社会に参加するという、魅力的なサービスが提案される。ファンはこの新たな方法の成功を実感し、生活のあらゆる分野にゲームの要素を持ち込むべく、アイデアを広めた。

日本には、「ホンダ」の自動車の「エコ」運転システムに組み込まれているゲームの要素、また健康生活の愛好家が一日で歩いた距離を競ったり、減らした体重を自慢したりできる、インターネットに接続可能な特別な万歩計、池袋近くにある居酒屋チェーン「養老乃瀧」の「ゲーム式」トイレなどがあり、ゲーミフィケーションにおいて非常に進んでいる。ロシアにはまだゲーミフィケーションの波は押し寄せていない。

ニューメディア部門の専門家であるイリヤ・バラフニン氏が、ロシアの特徴について語った。

 

- ソーシャル・ネットワークやさまざまなネット上のコミュニティーが、ユーザーを急増させている中、ゲーミフィケーションが成長しています。この二つの現象には関連性がありますか。 

ゲーミフィケーションは、インターネットの世界よりも、パソコン・ゲームの習慣と関係しています。今日、消費市場や労働市場には、25歳以下の人々が流れ込んでいますが、この世代は子供時代からパソコン・ゲームをしていました。「キッドアダルト(英語のKid=子供とAdult=大人の意)」と呼ばれる、大人でもゲームやアニメを好む人々もいます。つまり、ゲーミフィケーションにすぐに順応できる人が増えてきているということです。

- 消費市場についてお話がありましたが、ゲーミフィケーションは、何よりも商品の需要に関係があるような印象を受けます。その通りですか。

はい。ゲーミフィケーションは実際に、企業と消費者の相互活動に入り込んでいます。例えば、プロモゲームとも呼ばれているように、プロジェクトや商品の宣伝にゲームを利用するのです。3年前、ゲーミフィケーションを活用して、初の日ロ合作アニメ「ファースト・スクワッド」のキャンペーンが行われました。子供のファンがアニメ・サイトのリンクを受け取り、自分の電話番号を入力して、ストーリーの流れを監視します。その後、そのファンに主人公が電話をし、こっそりとメッセージを送り、「ファースト・スクワッド」の世界にファンを招き入れます。そうすると、ファンはアニメを見たいという気持ちになります。

大人の場合は、ディスカウント・カード、ボーナス・システム、プレゼント・システムなどのロイヤリティー・プログラムがゲーミフィケーションの例ですね。リピーターを生み出すという目的は、どれでも同じです。ただ、ロイヤリティー・プログラムは感情に作用しませんが、ゲームの場合は独特な世界に顧客を呼び込みます。単なる提案ではなくて、魅了するのです。それにより、人々はまたゲームをしたくなり、多くの場合、商品やサービスの消費につながって行くのです。

- ロシアのゲーミフィケーションの特徴は何ですか。なぜいつもトレンドを受け入れるだけで、作る方に参加しないのですか。 

ロシア人には独特な性質があります。ロシアでは、イノベーションの技術的側面はとても発展していますが、人文科学的側面が遅れています。どういうことかと言うと、ゲームのモデルをプログラミングできるような、優れたプログラマーやウェブ・デザイナーはいるのですが、それを発展させる人がいないのです。集団のコミュニケーションをまとめるような、進行役を務められる社会学者など、人文科学の専門家が必要なのです。

- ゲーミフィケーションの危険性はどのようなものですか。ゲームで引きつけられた消費者が、興味のない商品を買ってしまうことがよくありますよね。

商品の量産により、消費者は、合理的とはいえない基準で物を選ぶようになりました。ブランディングは、その上に成り立っています。消費者は、商品の位置付けを通じて、善し悪しを判断しますが、対消費者のゲームはここではわかりにくく、隠されているのです。

ゲーミフィケーションは、その逆で、過程が明確です。ゲームの参加者が決める規則に沿って進められるところがポイントです。

現実の生活にこのような規則はなく、そこでのゲームの枠を超えて規則を導入することは難しいのです。ゲーミフィケーションでは、消費者が一定の結果を出すか、一定の行動をすれば、何を受け取れるかについて、取り決めを行えるのです。消費活動を規則的にしますよね。

全人類が熱狂的なゲーマーに? 

以上がバラフニン氏の見解だ。今日、パソコン・ゲーム市場はエンターテーメント産業で最大であり、取引高は年間100億ドル(約8千億円)にも及ぶ。毎日1時間以上ゲームをする人は、世界に5億人以上いて、専門家の予測では、10年後にその数が10億人になる。

しかしながら、ゲーミフィケーションと比較すれば、この数はとても少ない。ゲーミフィケーションでは、地球人のほぼ全員を熱狂的なゲーマーにし、「グローバル2000」にランキングされる企業の70%が、少なくとも一つのゲーミフィケーションを採用すると考えられているのだ。