ソチ五輪とロンドン五輪のボランティア

ヴァレリー・メリニコフ/ロシア通信撮影

ヴァレリー・メリニコフ/ロシア通信撮影

ソチ五輪のテスト開催は、競技場の状態を調べるだけでなく、五輪に参加する予定のボランティアの演習でもある。2014ソチ冬季五輪組織委員会は、ボランティア向けの予算がどのぐらいになるかをまだ公表していないが、仕事の内容と条件はすでに明らかにしている。

組織委員会広報部によると、五輪開催期間中は、2万5000人のボランティアが、アパート・タイプの特別宿舎に滞在する。

組織委員会は、勤務時間と自由時間および休日の滞在場所と食事の他に、ユニフォームと担当場所までの交通費をボランティアに支給する。ただし、ソチ以外から来るボランティアは、ソチまでの往復交通費が実費となる。

ロンドンより好条件 

2012ロンドン夏季五輪ではここまで条件がそろえられず、組織委員会は、約7万人のボランティアに、担当場所までの交通費(ロンドン市内のみ)とユニフォームを支給しただけで、滞在場所は各自で借り、勤務時間以外の食事は実費だった。

ただ、ボランティアの多くはロンドン市民だったため、滞在場所の心配はほとんどなかった。ロシアの場合、ボランティアのほぼ全員がソチ以外からかけつける。

ソチ五輪では、17歳から22歳までの若者が参加を希望しているが、ロンドン五輪ではそれよりずっと上の29歳から40歳がボランティアとして活動した。

ただし負担増 

ソチ五輪は冬季開催で、除雪やスケートリンク場の整氷といった競技場の整備という作業が加わってくるため、ボランティアの人数は、ソチ五輪の方が少ないものの(ソチの2万9千人に対しロンドンは7万人)、仕事量は多くなる。

ロンドン五輪では、五輪マーク付きのジャンパー、キャップ帽、腕時計、カバン、ドリンクボトル、傘、記念バッジ、手帳が渡されたが、ソチ五輪は冬のため、より重装備となり、防寒着、防寒ズボン、防寒帽、手袋、防寒下着、ポロシャツ、Tシャツが提供される。

どちらも仕事は8~9時間交代で、自由時間は五輪競技を観戦できる。会場で仕事をする人は競技を直接観戦できるし、それ以外の場所で仕事をする人には、報奨としてチケットが渡される。

将来のキャリアに有利 

国際的な競技の場で裏方を務めたことを履歴書に書けば、キャリアにも影響するから、これは大きな特典だ。人事担当者によれば、ロシアの場合、ボランティアを務めたという実績は履歴書のポイントになるが、それが書類で証明されなければならないという。

国際的な会社のイベント・マネージャー、通訳、記者、秘書、管理者、事務員になることを希望する人にとっては、履歴書のこの項目が有利に働く。


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