貨物の輸送はロシア経由で

=タス通信撮影

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アジア太平洋経済協力(APEC)交通大臣会合がサンクトペテルブルクで開催され、ロシアのマクシム・ソコロフ運輸相が、現在APEC諸国とEU諸国の間で取引されている貨物の10%を、スエズ運河の代替ルートとしてロシアを経由させ、遅延を低減したいとの意向を発表した。これに対しAPEC参加国は、ロシアが極東の輸送インフラを徹底的に改善する必要があると述べた。

21カ国の交通大臣が参加した8月3日の会合は、9月のAPEC首脳会議に向けた行事の一つだ。ウラジオストクで受け入れ準備が完了するまでに、多くのAPEC関連会合がサンクトペテルブルクなどのより設備の整った街で開催される。信頼性の高い物流網の確立は、APECの4つの優先課題のうちの一つとしてロシアが提案した。

輸送路の多様化で時間もコストも節約

ソコロフ運輸相によると、最も重要なロシアの提案は、アジア太平洋地域からヨーロッパへの商品の輸送を中心とした物流で、コースを多様化することだという。プレゼンテーションではプロジェクターが使用され、商品がアジアからスエズ運河を経由してヨーロッパに輸送される現在の様子と、シベリア鉄道、バイカル・アムール鉄道、ロシアの太平洋港を現代化した場合のロシア経由の輸送が映し出された。

「輸送ルートの多様化は、輸送遅延や取引遅延を低減させるし、それによってエンド・ユーザーの購入価格も安くなるという経済効果をもたらすことは間違いない」と、運輸省関係者はスエズ運河を通る不便さとソマリア海賊のリスクを強調しつつ、効果を強調した。また、ロシアがアジアからヨーロッパに輸送される商品の10%が、数年後にはロシア経由となっていることも希望として述べた。

各国の大臣は好意的に受け取り、特に韓国代表は、ロシア経由の新たなルートの発展を、アジア地域全体の優先課題とした。

投資、インフラ整備が必要との意見 

昼食の際、関係者はこの大規模な計画の見通しについて、ビジネスの代表者らと語り合った。提案は支持されたものの、実現するための問題点について多く語られた。

国営企業「ロシア鉄道」のアレクサンドル・サルタノフ副社長は、鉄道を韓国から北朝鮮を通じてシベリア鉄道につなげる、またはウィーンまで鉄道を建設するなどのプロジェクトで、ヨーロッパへの貨物の通過輸送を発展させるには、多額の投資が必要となると語った。

13日間通関待ち

今年、APECビジネス諮問委員会(ABAC)の議長を務めているジヤブジン・マゴメドフ氏(「スムマ」グループ会長)は、運行管理や通関の改善、最新技術の導入などが優先課題であるとし、次のように述べた。

「ウラジオストクからモスクワまでのコンテナ輸送には28日かかり、うち10日は鉄道を走る期間で、13日は通関待ちの期間だ。シンガポールなら、コンテナの通関は1日以内で終わる」。

この他に、ロシアはAPEC参加国に対し、コンテナ貨物の情報がRFID(電波式識別)に記録され、それを特別なスキャナーで読みとれるような統一基準を採用することを提案した。RFIDが通関書類の代わりとして採用されれば、貨物の処理が4倍から6倍早くなるという。

市場独占に関する意見 

会議の終盤には、ロシア輸送ルートの実現に「ロシア鉄道」の独占状態が障壁となっていないか、また効率を上げるために「ロシア鉄道」を私有化すべきではないかといった質問が行われた。

「私有化で必ずしも効率が上がるとは限らない。そのような変化は極めて慎重に行われなければならない。ドイツ鉄道のような成功している国営企業もあるのだから、それを見本にすべきだ」とサルタノフ副社長は答えた。

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