帆船セドフ号世界周航へ

帆船「セドフ」号が5月20日、14ヶ月にわたる初の世界周航のためサンクトペテルブルクを出港する=Alamy / Legion Media撮影

帆船「セドフ」号が5月20日、14ヶ月にわたる初の世界周航のためサンクトペテルブルクを出港する=Alamy / Legion Media撮影

来年1月新潟にも寄港

ギネスブックにも掲載されている世界最大の帆船「セドフ」号が5月20日、14ヶ月にわたる初の世界周航のためサンクトペテルブルクを出港する。途中、21ヶ国の30の港に寄港し、日本には来年の1月23~25日、新潟港に停泊する。

今回の世界周航は、ロシア建国1150周年を記念するもの。「原初年代記」によると、ノルマン出身のリューリクが国を建てたのが862年だ。

セドフ号を所有するロシア連邦漁業局のアレクサンドル・サベロフ広報担当官は、航海の目的について、「海洋大国ロシアがすべての国に開かれており、平和を目指していることを世界にアピールしたいのです」と述べた。

帆船「セドフ」号の360度パノラマはこちらで 

200人を乗せて出航するが、半数はムルマンスク国立工科大学の学生。全員2年生で、モロッコのカサブランカとウラジオストクで、2度交代する。

カサブランカからウラジオストクまで乗船する同大生ドミトリー・ストルポフスキーさん(18)は「私はまだ外国に行ったことがありません。これは私にとってすごく大きな経験で、世界に触れる、またとない機会になります」と興奮気味。

 

ロックグループ「ムミー・トローリ」も同乗

 

イリヤ・ラグテンコ氏=タス通信撮影

ドミトリーさんが出発を今か今かと待ち焦がれているのは、大好きなロックグループ「ムミー・トローリ」が乗り合わせるからでもある。日本でも人気のベテラングループで、札幌でのライブ公演の模様はNHKで衛星中継された。

1983年にウラジオストクで結成、ソ連当局に「最も危険なバンド」のレッテルを貼られたこともあった。ヒット曲に「ウラジオストク2000」などがある。ボーカルのイリヤ・ラグテンコさんは、極東国立大学卒の元々は中国専門家で、日本関係の著書もある。

ラグテンコさんはこう語る。「航海しながらアルバムをレコーディングしたいという夢は、子供の頃に芽生えました。あらゆる国を帆船で訪れるということ、それは、国の旗や船を見てもらうばかりでなく、友好的な思いを感じてもらうことでもあるのです」。

セドフ号が寄港する30の港で、一行は地元の市民と船上で交流し、ロシア外務省と在外公館との共催で、児童画展やダンスマラソンなどの文化や娯楽のイベントが行われる。

航海の費用は、国家予算とノバテク社(ロシア第2位の天然ガス生産企業)などの民間企業の納付金で賄われる。

セドフ号の航路

セドフ号の航路 
5月 20 日出帆。航海は 14 ヶ月で、 21 ヶ国の 30 の港に寄港する。