世界的な陸上ドーピング騒動

ロシアのヴィタリー・ムトコ・スポーツ相は、「ドイツ公共放送(ARD)」が報道した“体系的な”ドーピング法違反で、ロシアが非難される根拠はないと考えている。

 「このスキャンダルはロシアには関係ない。これは世界の陸上システムに関係するもの。このシステムでロシアを主要な当事国にしようとしている人がいるが、この間ずっと、全般の規則に従って競技してきた。ドーピングする選手には、厳しい措置を適用してきたし、適用していく。何らかの番組が放送されたからといって、極端に走るのではなく、状況に落ち着いて対応する必要がある」とムトコ・スポーツ相。

 

ARDの報道で露が槍玉に

 ARDの番組によると、イギリスの「サンデー・タイムズ」紙が陸上選手5000人の血液検査結果1万2000件を入手。同紙のデータによると、ドーピングが疑われる世界各国の選手が、2001年から2012年に行われた五輪および世界選手権でメダル総数の3分の1を獲得していたという。また、ロシア代表チームが獲得したメダルの80%以上が、ドーピング疑惑のある選手によるものだったと指摘している。そのメダルの総数は146個で、うち55個が金メダル。2012年ロンドン夏季五輪に限ると、ドーピングが疑われるロシア選手が10個のメダルを獲得していた。

 ムトコ・スポーツ相はこの番組を、国際陸上競技連盟(IAAF)の会長選前の権力闘争と関連づけた。「この番組にもとづいて告訴するのは不可能。8月に会長選があり、ありがちな闘争が起こっている」

 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、この番組を受けて、懸念を表明した。データは今後の調査のためにWADAの独立系委員会に送られると、WADAの公式サイトで伝えられている。

 ARDは昨年12月初め、ロシアの陸上選手の体系的なドーピング使用についての番組シリーズのうち、最初の2本を放送した。全ロシア陸上競技連盟はその数日後、ARDと番組作成者のハヨ・ツェッペルト氏を提訴した。これらの請求の審理はロシアの裁判所で行われる。