クリル諸島4島共同経済活動発表か

安倍晋三首相の地元、山口県・長門市のJR仙崎駅に飾られた旗。=

安倍晋三首相の地元、山口県・長門市のJR仙崎駅に飾られた旗。=

Getty Images
 ウラジーミル・プーチン大統領と安倍晋三首相は、日本で行われる会談の後、クリル諸島4島での共同経済活動の開始を発表する可能性がある。ロシアのユーリー・ウシャコフ大統領補佐官が、プーチン大統領の日本訪問に先立ち、このように記者団に話した。

 「両首脳は、クリル諸島4島での共同経済活動について発表する可能性がある」と話し、この問題はまだ調査段階にあることを強調した。

 ウシャコフ大統領補佐官はまた、今回の日本訪問で一連の文書に署名が行われる予定であることを説明した。「予期されているのは、両首脳のもと、国家間文書10件ほど、重要な商業文書12~15件ほどが調印されること。その後、両首脳と日露経済フォーラムの関係者の会合で、事業文書50件ほどが結ばれること」

 両首脳は16日、日露経済フォーラムの総会で挨拶をするという。

 ウシャコフ大統領補佐官はまた、ロシア側がプーチン大統領の日本訪問を重視していること、安倍首相の地元である小さな長門市で初日の会談が行われるのを象徴的だと考えていることを伝えた。「日本の首相から外国のゲストに対してこのようなジェスチャーがあるのは初めて」と話した。

 

二国間貿易を復活させる

 両首脳は貿易規模の縮小についても話し合う。ウシャコフ大統領補佐官によれば、貿易額が昨年度は31%減の213億ドル(約2兆4921億円)まで縮小し、今年1~9月はさらに28%減の115億ドル(約1兆3455億円)まで縮小したという。「これは原油安、両国の通貨安、日本が参加している対ロシア経済制裁によるもの」とウシャコフ大統領補佐官。

 同時に、日本はロシア経済への資本投資(110億ドル≒1兆2870億円)において、世界で8位であることも伝えた。ロシアでは約270社の日本企業が活動している。

 ウシャコフ大統領補佐官によると、両国の戦略的協力分野は燃料・エネルギー。昨年、ロシアから日本に輸出された液化天然ガス(LNG)は650万トン、石油は1450万トン、石油製品は170万トン、石炭は1620万トン。

 両国の協力の成功例として、ウシャコフ大統領補佐官は「サハリン1」と「サハリン2」、またLNG工場「ヤマルLNG」の建設でのロシアのノバテクと日本の日揮および千代田化工建設の協力をあげた。

 

日本訪問について

 プーチン大統領は12月15~16日、日本を訪問し、安倍首相と会談する。初日のロシア代表団の団員は、イーゴリ・シュワロフ第1副首相、セルゲイ・ラブロフ外相、ユーリー・ウシャコフ大統領補佐官、ドミトリー・ペスコフ大統領府副長官・大統領報道官、アレクサンドル・ガルシカ極東発展相、デニス・マントゥロフ産業貿易相、ウラジーミル・メディンスキー文化相、アレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相、マクシム・オレシキン経済発展相など。東京で行われるイベントには、他の大臣や知事なども参加する。

 東京の会合に出席する経済界の関係者は、ロスネフチのイーゴリ・セチン社長、ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長、ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ社長、レノヴァのヴィクトル・ヴェクセリベルグ社長、対外経済銀行のセルゲイ・ゴリコフ頭取、ロシア直接投資基金のキリル・ドミトリエフ理事、ノバテクのレオニド・ミヘリソン社長、露日経済協議会の会長でデロヴァヤ・ロシアの代表のアレクセイ・レピク氏、ロシア産業企業家同盟のアレクサンドル・ショヒン代表など。ウシャコフ大統領補佐官によると、日露経済フォーラムには多くのビジネスマンが参加するという。

 

*元記事(露語)

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