ウラジーミル・プーチン大統領が、日本テレビ取締役執行役員の粕谷賢之氏(左)、読売新聞東京本社の溝口烈編集局長(右)のインタビューに応じた
=kremlin.ru柔道は日本文化の一部。スポーツとしてだけでなく、哲学的な意味も含め、柔道が日本に生まれたのは偶然ではない。相手への尊敬、コーチや先輩への尊敬はとても大事で、スポーツだけでなく、人生の他の分野でも人との関係に良い刺激を与えている。子どもの頃から柔道をやることとなった自分の運命に、とても満足している。(中略)柔道は、間違いなく私の人生の一部、大きな部分。継続的、真剣にスポーツに取り組めるようになったきっかけが柔道であり、とても嬉しく思っている。だから日本にはとても感謝している。
非公式な雰囲気の中での首脳会談はいつでも、有益なものだと思う。(安倍首相との会談でも)ともに取り組む課題の解決において前進すると期待できる理由がある。(中略)地方ではいつも話し合いがしやすく、打ち解けやすい。だから安倍首相の故郷では、オープンで、効果的で、成果のある話し合いができる雰囲気になることを期待している。
(中略)2000年、当時の日本の首相は、1956年共同宣言にもとづく(平和条約締結に関する)交渉に戻るよう、私に呼びかけた。私は賛成した。以来ずっとこれについて対話しているが、日本のパートナーや友だちがこの1956年共同宣言の枠組みの中にとどまっているとは言えない。
私が日本を、日本文化を、柔道などの日本のスポーツを、とても愛していることは秘密ではない。そしてロシアをもっと愛していると言ったとしても、みなさんへの侮辱にはならない。私はロシアの国益の観点から、安倍首相は日本の国益の観点から、交渉する。私たちは妥協点を見いださなければならない。第二次世界大戦という20世紀の恐るべき悲劇の結果は、しかるべき国際的な文書の中で確定している、ということを理解しなければならない。第二次世界大戦の結果として確立された国際法の基盤を崩すことなく、すべての論争をいかにして解決するのかということは、とても微妙な問題だ。(中略)安倍首相の故郷を訪れる際に、どうやったら我々がこの問題を解決できるのか、はっきりと理解できるようになりたい。そうなれば、とても嬉しい。チャンスはあるのだろうか。おそらく、いつでもある。チャンスがないのなら、話し合うことは何もない。
安倍首相とは両国、両国民の間の友好と信頼の雰囲気づくりについてたくさん話し合ってきたし、これは正しいことだと思う。この信頼の基盤に、平和条約を整備していくための条件づくりに関する合意もあるべきだ。合意は、例えば、南クリル諸島(「北方領土」)を含む、大規模な共同経済活動の結果としてできるかもしれない。または純粋に、人道的な問題を解決することでできるかもしれない。例えば、ビザなしで、南クリル諸島の元島民が、昔の居住地を訪ね、墓参りをし、故郷を訪れることなど。
両国には、遺憾ながら、たくさんの未解決な問題がある。ロシアでは非常に多くの人が日本を知っており、何に左右されることもなく――ついでながら私は両国のすべての問題をいつかは解決すると確信しているが――、それがいつになるかに左右されることもなく、日本を愛している。すでに今日、ロシアに暮らす多くの人々には、そして多分日本に暮らす多くの人々にも、互いを知りたい、互いに協力したい、ためになる情報を交換したいという思いがあり、いまだに解決されていないすべての問題が解決することへの純粋な願いがある。
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