日露に総額1.5兆円強の共同計画

ロイター通信
 ロシアのアレクサンドル・オシポフ極東発展第1次官と日本の片瀬博文経済産業審議官は21日、モスクワで会談し、ロシア極東における両国の経済協力計画に含まれる共同プロジェクトについて話し合った。ロシア連邦極東発展省が25日、会談の実施と計画の内容について伝えた。

 会談では、総額1兆ルーブル(約1兆6500億円)以上の、優先的な18の方向性とそれに付随するプロジェクトからなる計画について話し合われた。協力計画については、先月7日に行われたアレクサンドル・ガルシカ極東発展相と世耕弘成経済産業相の会談で話し合われていた。計画には、エネルギー分野、輸送分野、医療分野のプロジェクトなどがある。

 

「準備度の高い」プロジェクト

 両国は「準備度の高い」プロジェクトについて話し合った。具体的には、石炭採掘会社「コルマル」(サハ共和国)の炭田の共同開発、「住友商事」が参加する可能性のあるハバロフスク地方ムチカ湾での石炭ターミナルの建設、「飯田グループホールディングス(GHD)」の木材加工への投資、国際空港ハバロフスクの刷新、「日揮」のハバロフスク地方での第2期温室栽培事業および「北海道総合商事」のサハ共和国での温室栽培施設の建設、「日揮」の医療センターの創設など。

 

日本事業支援プラットフォームと電力ブリッジ

 オシポフ第1次官によると、「日本国際協力銀行(JBIC)」と共同で、プロジェクト事務局、また都市環境開発基金、日露食糧基金、工業団地などのテーマ別投資プラットフォームの設置作業を進めているという。

 ロシア側からは、電力ブリッジ(電力を輸出するための送電網)の建設を含む、アジア太平洋諸国への電力輸出計画の枠組みとして、実践的な内容が提案された。

 「大きな『電力ブリッジ』の実現は、ロシアの発電者、日本の消費者を含むプロジェクト参加者全員に有益。大きな『電力ブリッジ』の創設の第一歩となり得るのが、『サハリン-北海道』電力ブリッジの建設」とオシポフ第1次官。

 両国はまた、サハリン-北海道の鉄道と車道の併用橋の建設、サハリン-北海道のガスパイプラインの建設の可能性についても話し合った。

 「12月に日露首脳会談が予定されている。それまでに協力の具体的な結果を出し、次のステップを固めたい」とオシポフ第1次官。

 

もっと読む:日本はエネルギー分野での協力拡大に関心>>

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる