ロシアのアレクサンドル・ガルシカ連邦極東発展相=
キリル・クフマリ撮影/タス・ホストフォトエージェンシー9月7日、ロシアのアレクサンドル・ガルシカ連邦極東発展相が東京で、ロシア経済分野協力担当大臣を兼ねる世耕弘成経済産業相と会談し、18項目の露日経済協力について話し合うとともに、11月までにモスクワで再度会談を行うことを決めた。
ガルシカ極東発展相は、9月2-3日にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムを総括して、その枠内で約20件の協定が調印され、総額は828億6千万ルーブル(約1250億円)に上ったと伝えた。
また、会談後 にガルシカ極東発展相が記者団に語ったところでは、会談の席で18項目の露日経済協力が取り上げられた。それらを極東発展相は5つの範疇に分類している。
その一つは、ウラジオストクの自由港と経済特区「先行発展領域」への日本の投資と関係したもので、既に非常に準備が進んでいる。そのなかで大臣が特に強調したのは、日揮(JGC)、Hokkaido Corporation、飯田グループホールディングスの各社のプロジェクト、そして、「コルマル」社の石炭プロジェクトへの日本企業の参加、ハバロフスク国際空港の改修、ウラジオの日露合弁企業「マツダ・ソラーズ」の工場によるエンジンの生産など。「これらのプロジェクトは、既に実現されているか、新たな段階に進む潜在的可能性を有している。それというのも準備が非常に進んでいるからで、もう実現間近にある」。ガルシカ極東発展相はこう説明した。第二の範疇は、露日共同での投資プラットフォームの発展と関係している。これに関連し、ガルシカ極東発展相は、東方経済フォーラムで、日本の国際協力銀行(JBIC)と「極東エージェンシー」の間で、投資の呼び込みと輸出の支援に関し協定が結ばれたことに触れた。「プーチン大統領は、このプラットフォームを、露日協力の好例として挙げ、日本のパートナー達に、テーマごとにどんどんプラットフォームを立ち上げていくように提案した」。こうガルシカ極東発展相は述べた。
その例として大臣は、次の点を指摘した。すなわち、日本に対して、都市環境発展に関する基金、および海洋生物資源発展に関する基金を共同で創設することを提案したという。
大臣によると、第三の範疇は、医療の発展と関係している。それというのも、日本の企業は、法制を含む一連の問題とぶつかっているからだという。これについて大臣は指摘した。ウラジオの自由港と先行発展領域の法律は、「医療事業を一般の運用から外し、政令により特別に調整する」可能性を見込んでいると。「我々はこの規則を日本企業に適用する用意がある」と大臣は述べるとともに、日揮(JGC)が低侵襲医療とリハビリテーションのセンターを開設しようとしている点に言及した。
第四の範疇は、露日間のインフラ発展を内容としており、とくに極東と北海道を結ぶエネルギー・ブリッジである。
第五は、グローバルな発展と関係するプロジェクト。「ロシア側は、北極海航路発展のため、両国で協力していくことを提案した」とガルシカ大臣は述べ、日本の国際協力銀行(JBIC)がこの案件に関心を示していることを指摘した。この範疇の他の案件としては大臣は、ボストチヌイ宇宙基地における航空宇宙クラスターの発展を挙げた。この基地はロシアが最近極東に建設したもの。
「私の考えでは、12月には、我々は前進を遂げて、何らかの成果を出すか、18項目に関する文書に署名できると思う。これらは世耕経済産業相との議題に上ったもの」。ガルシカ大臣はこう語った。
大臣はまた、世耕経産相と、モスクワで11月までにもう一回会談することで合意したことも明らかにした。「私と世耕経産相は、モスクワで11月までにもう一度会談することで合意した」
ガルシカ大臣は同じく記者会見で、日本でロシア経済分野協力担当大臣のポストが最近新設され、世耕経産相が任命されたことに、大きな期待感を抱いていると述べた。またガルシカ大臣は、世耕経産相が関係発展を促進させるだろうとの期待を表した。
また大臣は、露日双方はお互いを尊敬すべきで、強硬な立場をとるべきではないとの意見を述べた。「もし、お互いの言うことに耳を傾けるならば、はるかな将来を見据えた確固たる信頼関係を築くならば、良好な経済通商関係を築くならば、そして国際舞台においても良い協力関係を構築するならば、その時は、遠い歴史に遡る極めて困難な問題も解決できる基盤が生まれるだろう」。ガルシカ大臣はこう結んだ。
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