ヴォログダ空港のターミナルはソビエト・スタイル(写真特集)

観光・自然
アンナ・ソロキナ
ヴィンテージな炭酸水の自動販売機、ピロシキを売る軽食堂、テーブルホッケー、出発ロビーの壁には絨毯…そう、ここは1970年代スタイルのノスタルジックなターミナルなのだ。

 1970年代末に建設された典型的なソ連タイプの空港建築として、ヴォログダ空港はロシアで最後の1つなった。今回、修復作業を経た同空港は、さながらレトロスタイルのアート空間となってリニューアルオープンした。

 ターミナルのいちばん「美味しい」一画は、もちろん軽食堂。おばあちゃん家の戸棚から取り出したかのような、ソ連時代のティーカップが使われている。メニューも然るべく、ジャガイモ入りのピロシキ、オイルサーディンのサンドイッチ、そして「ナポレオン」ケーキ。すぐ隣には、復刻された炭酸水の自販機が置かれている。

 ソ連時代の古い写真で、アーケードゲーム機を見た人も多いだろう。リニューアル後のターミナルにも、当時の「海戦」とテーブルホッケーが置かれている。

 階段の下には、昔のままの公衆電話機がボックスごと残されている。壁には「無駄話はやめよう」のポスター。ただし、電話自体は稼働していない。いまどき、こんな電話機は無用のものだ。

 ターミナルの中心部は、ソ連時代の居間を模した待合所。椅子が2つに本棚1つ、壁に絨毯が飾られ、旅行鞄が置かれている。ここに座って離発着する飛行機を眺めるも良し、往時の雰囲気たっぷりの写真も撮れる。

 実はこのミニ・タイムトラベルはモスクワから始まっている。ヴォログダ線に就航しているのは、昔ながらのYak-40、座席数は32。ヴォログダ空港は、大型機には対応していないのだ。現在は、モスクワ線とペテルブルグ線、ヴェリーキー・ウスチュグ線がある。

 2025年には、すぐ近くに最新の新ターミナルも着工する。完成後、「ソビエトチック」な方のターミナルは博物館や映画館付きの公共スペースとして利用される計画だ。

 ヴォログダ市にとって、映画ツーリズムは将来性ある方向性とされている。ヴォログダ空港はリニューアル前からロシア映画界に注目されており、映画『サバイバー 極限の生存者』(2022)、『コマンダー』(2024)、ドラマシリーズ『スズラン~か弱き愛~』(2024)の撮影にも使われている。

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