世界初の橋上の地下鉄駅はなぜ19年間も閉鎖されたのか?

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ロシア・ビヨンド
ヴォロビヨーヴイ・ゴールイ(雀が丘)駅」は、首都の地下鉄駅では最長の282㍍となった。そして、世界で初めて橋の上に建設された――モスクワ川の上だ。

 モスクワの地下鉄駅「ヴォロビヨーヴイ・ゴールイ(雀が丘)駅」は、当初は「レーニンスキエ・ゴールイ(レーニンが丘)駅」と呼ばれており、1959年に開業している。

 ルジネツキー橋は、非常な速度で建設された。冬にコンクリートが固まるのを防ぐために、塩が加えられた。

 建設業者が致命的なミスを犯したことがすぐに明らかになった。 補強材が錆びてスラブ(石板)が壊れ始め、防水性に問題が生じた。早くも半年後、豪雨の後で、駅ロビーに水が流れ込み始め、車両内にも漏れて、乗客の頭上に滴り落ちた。

 そして1年後、ファサードは崩壊し出す。コーニスの葉形の部分が崩落し始め、コンクリートの天井も崩壊。1983年、人命を脅かし始めた駅は、改修のため閉鎖された。そして1986年に、ソコリニチェスカヤ線の列車用の迂回路が、ルジネツキー橋の両側に造られた。

 しかし、改修が19年も続くとは誰も予想できなかった。長い間、駅は閉鎖されたままで、工事が始まったのはようやく1999年のことだ。このとき、地下鉄駅をルジネツキー橋とともに根本的に建て直すことに決まった。首都最長の地下鉄駅は、2002年に再開した。

 現在、通路を含む長さは284㍍、幅は20.6㍍ある。アスファルトの床は花崗岩に張り替えた。新たにより大きな柱が建てられ、通路には白と緑の大理石が張られた。

 しかし、この駅の最大の特徴はガラス張りの壁であり、そこから雀が丘、ルジニキ・スタジアム、モスクワ川、科学アカデミーの建物が見える。

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