モスクワの地下鉄の乗り方

Pelagia Tikhonova/Moskva Agency
 首都の地下鉄は急速に拡張しており、複雑な迷路と化している。地下鉄のことを知り、ストレスなく素早く目的地に到着する方法をお話ししよう。

 モスクワの地下鉄と電車での移動は非常に便利だ。 営業時間は午前5時30分から深夜1時までで、すべてトロイカカードで乗ることができる。もちろん、地下鉄の路線図は複雑だが、それは最初だけだ。

 まず、地下鉄と地上電車を区別しよう。地下鉄の線は明るい実線で示され、地上電車の線は中が白く、縁取りされた線で示される。

地下鉄のシステム

 地下鉄には茶色の環状線 (5) とターコイズ色の新しい大環状線 (11番) の2つの丸がある。これらの環状線は地下鉄の他のすべての路線と交差しているため、郊外から別の路線に乗り換える必要がある場合は、環状線のどちらかに乗ると便利だ。

 環状線(5)の内側は市の中心部だとされている。また、茶色の環状線の内側でも地下鉄の1つの線から別の線へ乗り換えできる駅が多数ある。乗り換え駅のナンバーワンはレーニン図書館駅 - アルバーツカヤ駅 - アレクサンドル庭園駅 - ボロビツカヤ駅だ。ここでは4 つもの線が 1 か所 (しかもクレムリンのすぐ近く) で交差している。また、クレムリンへは相互接続しているオホトヌイ・リャド駅、劇場駅、革命広場駅からも簡単かつ迅速にアクセスできる。

 地下鉄でヴヌコヴォ空港まで行くこともできる。ソンツェフスカヤ線 (8A) のその駅は 2023年9月に開業した。

地下鉄はどのように運行されているか?

 地下鉄の電車と次の電車の運行間隔は平均約 2 分と非常に短く、ラッシュアワーにはさらに頻繁に運行される。そのため走る必要も、閉まるドアに乗り込む必要もない。(これは危険だ) 次の電車を待っていればすぐに来る。他の都市の地下鉄とは異なり、地下鉄には分岐がなく、厳密に1つの線に沿って走行する。そのため、間違った方向に行ってしまうおそれはなく、行きたい方向の電車に安全に乗ることができる。

例外が2つだけある。

  • 水色の路線のアレクサンドル庭園駅からは、国際駅(モスクワシティがあり、多くのビジネスマンが利用する駅)またはピオネルスカヤ行きの列車が交代で出る。
  • 大環状線にはサヴョロフスカヤ駅からビジネス センター駅 (モスクワシティ) までの分岐がある。

 時々「この電車は○○駅までです」というアナウンスが流れる。その先に行きたい場合は、その電車が行く最終駅で降りて次の電車を待てばよい。その電車は車庫に行く電車なのかもしれない。

地上線:

 新しい路線図には地下鉄に加えて、地上電車の路線も示されている。この2つは簡単に区別できる。地上線は縁取り線で示され、その中は白くなっている。

1) MCC(モスクワセントラルサークル ):モスクワ中央環状線(14)

 もう一度路線図を見て、地下鉄環状線 (5) と大環状線 (11) の間にある赤い環状線を見つけよう。これはモスクワ中央環状線 (14)、または単に MCCと呼ばれている。

 これは市内を走る地上電車だ。地下鉄に乗り換えることができる駅もある。ただしその乗り換えはほとんどの場合、地下鉄のような短い乗り換えではない。所によっては10分ほど歩くこともある。

 したがって、MCCを乗り換えのためのルートとしてのみ利用することは勧められない。また、MCCの電車と電車の間隔は地下鉄よりも長く、時間帯によっては4 - 8分になる場合もある。

 ただしMCC の大きな利点は地下鉄から離れた場所に多くの駅があることで、MCCを利用して行くのが便利な所もある。

2) モスクワセントラルディアメーター (MCD)

 地下鉄路線図上でのモスクワの「直径路線」はモスクワ市を横断する最長の路線である (これが「直径(ディアメーター)」と呼ばれる所以だ)  これはベルリンやウィーンの SバーンやパリのRERのような市内電車に似ている。

 これは郊外(路線図上では緑の影で示されているモスクワ州)から来て、市内全体を横断して市の反対側の郊外に向かう電車の路線だ。MCDの駅の中には下車して地下鉄または MCC に乗り換えることができる駅もある。ラッシュアワーにはMCD の電車は5 - 7分間隔で運行される。

 MCD-1/D1 – 黄色のベラルスコ・サヴョロフスキーの路線は、モスクワ南西部のオジンツォヴォ駅からモスクワシティとベラルスキー鉄道駅を通り、シェレメーチエヴォ空港と北のロブニャ駅まで延びている。

 MCD-2/D2 - ピンク色のクルスコ・リジスキーの路線は、南のモスクワ郊外の街ポドリスクからクルスク鉄道駅、3つの駅広場(レニングラード鉄道駅、カザン鉄道駅、ヤロスラヴリ鉄道駅)、リジスキー駅を経て、北西のナハビノ村まで続く。

 MCD-3/D3 – オレンジ色のレニングラツコ・カザンスキーの路線は、南東のイポドロム駅 (ラメンスコエ市) から北のゼレノグラードまで伸びている。

 MCD-4/D4 – 緑色のカルジスコ・ニジェゴロツキーの路線は、南西のアプレレフカ市からモスクワシティ、ベラルスキー鉄道駅、サヴョロフスキー鉄道駅、クルスク鉄道駅を通り、さらに 3 つの駅広場(レニングラード鉄道駅、カザン鉄道駅、ヤロスラヴリ鉄道駅)を通って東のバラシハ市のジェレズノドロズナヤ駅まで続く。

 MCDの5番目の路線も現在設計中で、2028 年に開業するとされている。この路線は南(ドモジェドヴォ)と北(プーシキノ)を結ぶことになる。

3) モスクワモノレール

 ロシア唯一のモノレールはモスクワ中心部から北の方にある。これは支柱の上を走る地上の線である。これは短い路線 (13) で、周遊運行している。モノレールの車両からはオスタンキノテレビ塔などの美しい景色を眺めることができる。

 列車は30分に1回、チミリャゼフスカヤ駅 (セルプホフスコ - ティミリャゼフスカヤ線 (9)、つまり地下鉄の灰色の線の駅と同名の駅の隣) から、VDNKh公園の入り口と地下鉄カルジスコ-リジスカヤ線(6)のVDNKh駅近くのセルゲイ・エイゼンシテイン通り駅まで走行している。

4) ライトメトロ(リョフコエ・メトロ)

 モスクワの南のブトフスカヤ線 (12) はブーニン並木道駅からビツェフスキー公園駅まで運行しており、そこから灰色のセルプホフスコ - ティミリャゼフスカヤ線 (9) とオレンジ色のカルジスコ - リジスカヤ線 (6) に乗り換えることができる。この路線はほとんどが地上を走り、トンネルにも入るが、地下鉄の一部とみなされている。 (そのため、この路線は他の地下鉄路線と同様に実線で示されている)

役立つアドバイス

 モスクワ地下鉄のウェブサイトには、すべての地下鉄、MCC、MDCを含むインタラクティブな地図が掲載されている。これを使用すると、出発駅から到着駅までのルートを検索し、行き方と旅行オプションと必要な乗り換え場所を確認できます。

運賃の支払い方法

 モスクワの交通システムが便利なのは、地下鉄、電車、バス/トラムなどの公共交通機関を利用するのにトロイカカードだけで十分なことだ。トロイカカードは駅の切符売り場や券売機で購入できる。また、地下鉄のグッズ販売店やメトロのオンライン ストアでは、トロイカカードのように使えるキーホルダー、ブレスレット、指輪や、ユニークで限定販売のデザインのトロイカカードを購入できる。

 このカードは一定の金額を入金することでチャージができる。また、60回の回数券、または 1/3/30/90/365日間有効の乗り放題のチケットを1枚分チャージすることもできる。

 トロイカカードのデポジット費用は80ルーブルで、切符売り場でカードを返却すれば返金される。トロイカカードは5年間有効なので、将来の旅行に備えて保存しておくこともできる。

 MCC、MCD (市内中心部)、地下鉄の片道料金は54ルーブル。地下鉄、MCC、およびMCD間の乗り換えは90 分間以内であれば無料である。MCDで郊外までの運賃は71 ルーブル。

 重要: 入場の時だけカードをかざせばよいのは地下鉄と MCCのみで、MCDでの移動は入口でカードをかざした後、出口の改札でも再度カードをかざす必要がある。

 また、ほとんどの駅の改札には銀行のキャッシュカードをかざして運賃を支払うことができる端末が設置されている。

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