コーカサスのヒョウ(写真特集)

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ヒョウといえばジャングルのイメージだが、実はロシアにもいる。

 極東に生息するヒョウについてはご存知の方もいるかもしれないが、このネコ科の猛獣はコーカサスの山中にも生息している。

 レールモントフの詩『ムツィリ』に、こんな一節がある:

「砂漠の永遠の客人 雄大なるヒョウ」

 主人公がヒョウに遭遇する場面の描写である。ヒョウは山岳地帯に棲み、崖や岩場を好む。人々はこのヒョウを、コーカサス・バルスと呼んだ。

 西アジアのヒョウは極東のヒョウより大型で、冬季は体毛が灰色掛かった明るい色をしている。斑点は黒色ではなく、褐色。

 かつてはコーカサスや中央アジアに生息していたが、1950年代にはほぼ消滅してしまった。近年まで、コーカサスのヒョウはロシアでは絶滅種とされていた。

 頭数回復に動き出したのは2006年。まだ生息しているトルクメニスタンやイランから野生のペアが数組、さらに外国の動物園から移送された個体も併せて、ソチ国立公園に放たれた。これらのヒョウが交配し、その子孫がチェチェンや北オセチアで確認された。なお、北オセチアの紋章に描かれているのは、まさにこの種のヒョウである。

 現在、コーカサス地方にはソチ国立公園、北オセチア、カバルダ・バルカルなどに10~15頭のヒョウが生息している。また、近隣の国に生息しているヒョウがやってくることもある。

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