サンクトペテルブルクが誇る博物館7選

観光・自然
ユリア・ハキモワ
 ロシアの文化の都には、200を超える博物館がある。その中にはロシア最古であったり、或いはロシア史に関係の深いものもある。もっとも重要で、もっとも見所満載の博物館をご紹介しよう。

1. 国立エルミタージュ

 サンクトペテルブルクはおろか、ロシアでもナンバーワンの博物館と言って良い。そのメイン館は欧州の画家の作品、ギリシャやローマの彫刻、エジプトの石棺、インドの遺物、オスマンの刀剣、日本の面、メソポタミアのレリーフなど、古今東西の人類の遺産が展示されている。旧参謀本部館では19~20世紀の作品と現代美術を鑑賞できる。

 エルミタージュ美術館の主要な建築は、宮殿広場の周囲に集中している。もっとも良く知られるのは、かつてロマノフ家の宮殿だった冬宮殿だろう。その華麗なインテリアを堪能するべく、世界中から観光客が訪れる名所である。

 一方こちらの記事では、最もおススメしないエルミタージュ観光の方法をご紹介している。

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2. ロシア美術館

  ロシア最大級にして、世界初のロシア美術の博物館である。博物館は6つの宮殿と、夏の庭園およびミハイロフスキー庭園から成る。

 主要な所蔵品はミハイロフスキー宮殿に集中している。7~17世紀の古ロシアのイコンのコレクション、18~19世紀の絵画、17~21世紀のフォークアートなど。宮殿に接するベノア館では、19~20世紀の作品が展示されている。

 ロシア美術館を開いたのはニコライ2世だが、その所蔵品の基礎を成すのは、ニコライの父、アレクサンドル3世の個人コレクションである。

 ロシア美術館の歴史については、こちらの記事に詳しい。

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3. ペトロパヴロフスク要塞

 ザーヤチー島のペトロパヴロフスク要塞は、サンクトペテルブルクの建設が始まった場所として名高い。また、かつては重要な政治犯用の牢獄、トルベツコイ稜堡もあった。そして、ロシア皇帝たちが葬られたペトロパヴロフスキー聖堂も隣接している。現在では全体が博物館として機能しており、11に分けられた様々な展示を楽しめる。

 ザーヤチー島では300年近くにわたって造幣局が稼働し続けている。かつては、ルーブルはもちろん、一時期はオランダのドゥカートやトルコのピアストルも鋳造されていた。

 ペトロパヴロフスキー聖堂の鐘楼にはカリヨンが備えられており、日曜日には要塞敷地内でカリヨン演奏を聴くことができる。また、ナルイシキン稜堡からは毎日正午に大砲が時報を放つのが伝統になっている。

 ペトロパヴロフスク要塞について、詳しくはこちら 。

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4. クンストカメラ

 ピョートル1世の指示によって開設された、ロシア最古の博物館である。展示のベースとなったのは、皇帝自身の珍品コレクションだった。エタノール漬けの胚や奇形の胎児、動物や鳥類の骨格、鉱物標本、植物標本、各種の発明品、書籍、古代の遺物など、多くはヨーロッパで皇帝が収集したものである。 

 皇帝の指示により、コレクションは啓蒙を目的に全ての希望者の観覧に供された。そしてクンストカメラは次第にロシア科学アカデミーの研究と収集の核となっていく。

 ピョートルの収集した珍品に加え、現在のクンストカメラでは北米、ラテンアメリカ、中近東、アジア、アフリカなど世界各地の古民具や武具甲冑、民族衣装や乗り物などの膨大なコレクションを展示している。

 クンストカメラについて、詳しくはこちら

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5. ロシア科学アカデミー動物学博物館

 動物学博物館の設立は1832年。当初、クンストカメラの自然館の収蔵品が動物学博物館の展示物となり、後にロシアの探検家たちが世界各地から持ち帰ったコレクションが加わった。 

 こんにち、博物館には昆虫標本、魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類の剥製や骨格が展示されている。また、世界最大級のシロナガスクジラの全長27mの骨格、マンモス化石、絶滅動物の剥製も注目に値する。見学ツアーは、合計7種類も用意されている。

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6. 砲兵・工兵・通信隊の軍事歴史博物館

 内庭に展示されている250近い砲が目立ち、遠くからでも、すぐそれと分かる博物館だ。もとはピョートル時代に古い砲を保管していた、ペトロパヴロフスク要塞の兵器庫から発展したコレクションである。博物館の始まりは1703年とされている。

 ロシア製の各種の砲、銃や刀剣など各種兵装、通信機器、軍旗、様々な時代の制服や勲章の他、出土品を含む10世紀以降の武器が展示されている。 

 また、15~17世紀の西ヨーロッパ各国製兵器のコレクションは、ロシア最大規模のものだ。

 展示室の1つは丸ごと、かの有名な兵器設計者ミハイル・カラシニコフに関するものだ。ここの展示品の中でも、特に試作品は、現存数が1点しか無い。AK-47の量産第一号も展示されている。

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7. 中央海軍博物館

  ロシアでも最古級の博物館の1つ。その始まりはサンクトペテルブルクにあったモデル室、すなわち、ピョートルの船舶模型と船舶図面の保管庫だ。かつては、バルト艦隊の造船所も兼ねていた海軍省の一画にあった。 

 現在、博物館には2000以上の船舶模型が収蔵されている他、船舶の各種機材、銃や刀剣類も展示されている。また、美術品や勲章、徽章や軍旗、制服の展示も充実。ロシアの軍事史や、海軍の発展史と航海史を物語る博物館である。

 この中央博物館に加え、全国7か所(クロンシュタット、ラドガ湖、ノヴォロシースク、バルチースク、セヴァストポリ)に関連施設がある。かの有名な巡洋艦アヴローラ号もその1つだ。アヴローラ号の空砲が冬宮殿攻撃の合図となったため、革命のシンボルとされた。現在は、艦上を見学ツアーで見ることができる。

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