サンクトペテルブルクの最も美しい公園と庭園10選(写真記事)

観光・自然
ユリア・ハキモワ
 サンクトペテルブルクは面積の4割近くが緑地・緑化地域である。中でも、都市の南部に豪華なものが多い。ペテルゴフ、プーシキン、パヴロフスク、ロモノソフなど、かつて皇帝の別邸があった場所だ。今回は、北の都ペテルブルクの中心部から遠くない場所にある美しい10の公園や庭園を選んでご紹介しよう。

1. 夏の庭園

 ピョートル1世が1704年に建設したこの庭園は、小さな島にある。当初は皇帝専用の夏の別邸で、ヴェルサイユの庭園を参考に設計された。

 こんにち、夏の庭園は野外博物館となっている。並木道には古代の作品を模した彫像が並び、夏季は噴水が名物。噴水はペテルゴフの物より小ぶりではあるが、その美麗さにおいては決して劣らない。

 また庭園内の「コーヒーハウス」ではカフェが営業し、ジャズの演奏も楽しめる。

 2. ミハイロフスキー庭園

 ミハイロフスキー庭園は、夏の庭園にほど近い位置にある。ロシア美術館か、血の上の救世主教会と同時に訪れて散歩するのが良いだろう。

 庭園内にある樫の木はペテルブルクで最も古いもので、ピョートル1世が植樹したものである(夏の庭園にも同様のものがある)。

 庭園の池には写真映えのする美しい橋がかかり、また、ピョートルの妻エカテリーナ妃の邸宅跡地に建てられた園亭がある。

3. アレクサンドロフスキー公園

 面積は広くないが、宮殿広場や冬宮殿、旧海軍省やイサアク大聖堂など、ペテルブルクの最も重要な名所に近い。有名な青銅の騎士像は、この公園の中にある。

 当初ここは空き地で、海軍省の防御施設の土手だった。やがて造船用木材と錨の集積所になり、後に草原で民衆の祭りが行われるようになった。1874年に市立公園となり、1879年には当時市内最大の噴水が作られた。

4. エラーギン島の中央文化休息公園

 エラーギン島もかつては皇帝の別邸であり、1917年の革命まで、約100年わたり皇室が所有していた。イタリアの建築家カリオ・ロッシがエラーギン島邸をロマノフ家のために改築し、園亭群や新たな建物を追加した。宮廷付き庭師のジョゼフ・ブッシュJr.は、島にイギリス風の庭園を造ったが、これは夏の宮殿のフランス式の厳格な庭園と好対照をなした。

 夏のエラーギン島ではコンサートが催され、冬にはスケートリンクが開かれる。エラーギン島邸では皇帝のインテリアが再現され、ガラス博物館では工房でガラス加工を学べる。

5. ピョートル大帝の植物園

 この植物園には、ロシアでも最古級の樹木園がある。また、日本庭園とアルパイン・ガーデンも美しい。植物を一年中楽しめる温室群は、植物園の自慢だ(開花・結実カレンダーもある)。

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 園内ツアーのコースは、亜熱帯コース、熱帯コース、水生植物コースの3つをまわる。夏には野外コンサート、冬には光のショーが催される。

6. 国立サンクトペテルブルク大学付属植物園

 大学付属植物園は前述の植物園より小規模ではあるものの、植物ファンには嬉しい充実ぶりだ。園内には2つの大型温室、日本庭園、樹木園がある。帰路には文学部の庭に立ち寄り、世界各国から集められた珍しい記念像を見学するのも面白いだろう。

7. 新オランダ島

 ピョートルの時代、この島では船舶用の木材を乾燥させていた。後に監獄が建てられ、さらに後には海軍の施設が建った。

 旧海軍監獄「ブトィールカ(瓶)」の建物には、現在はブティックやレストランが入居している。司令部だった建物は、キッズセンターになった。

 島の中央の野原は、夏季は野外コンサート会場、冬季はスケートリンクになる。新オランダ島は市有数のおしゃれスポットだが、自然も一部には残っている。

8. タヴリーチェスキー庭園

 サンクトペテルブルク中央区で最も緑豊かな一画である。スモーリヌイ聖堂に向かう道中に立ち寄るのが良いだろう。ここはエカテリーナ2世の寵臣、タヴリーダ公爵グリゴリー・ポチョムキンのタヴリーチェスキー宮殿の庭園だった。

 現在、宮殿にはCIS議会間総会本部があり、庭園は一般に開放されている。ここでは1年を通して市の様々なイベントが催され、冬は地元民がスキーやスケート、その他の季節にはジョギングやノルディックウォーキングを楽しんでいる。また、庭園付属の小さな温室もあり、カフェがあるほか、コンサートも開催されている。

9. エカテリンゴフ

 1812年の祖国戦争後に建設されたナルヴァ凱旋門の近くにある。エカテリンゴフもまた、戦勝記念に造営されたものである。1703年5月7日、ピョートル1世はこの地で初めてスウェーデン軍を水上で撃破した。そしてこの地に屋敷を建て、結婚記念に妻に与えた。エカテリンゴフとは、「エカテリーナの庭」を意味する。ピョートルの治世、ここでは毎年5月に戦勝を記念して祝宴が行われた。

 後に屋敷は酪農園に、さらに後に果物園と畑に改造され、やがて民衆の祭りも復活した。現在ではスポーツイベントや芸術イベントが開催されている。テニスコートが設けられ、ボートも楽しめる。

10. プリモルスキー(沿海)勝利公園

 サンクトペテルブルクで最も高級なエリアが広がるクレストフスキー島は、幅広い並木道が完備され、自転車やスケートボードやキックスケーターに最適なスポットだ。白鳥やリスに餌をあげたり、ピクニックや、キッチンカーをはしごするといった楽しみ方もある。大型の遊園地ディヴォ・オストロフでは様々なアトラクションも楽しめる。

 クレストフスキー島の西端には、ロシアでも最高のスタジアムの1つ、空飛ぶ円盤を思わせる外観のガスプロム・アリーナがある。その隣は広々とした河岸通りで、フィンランド湾まで見渡せ、新しい斜張橋や超高層ビルのラフタ・センターなど、ペテルブルクの最新建築もよく見える。

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