ソ連時代に誰もが旅をする時持って行った携行品9点(写真特集)

イシク・クル湖を訪れた観光客

イシク・クル湖を訪れた観光客

N.Zhiganov/TASS
 ソ連時代の旅行鞄の中身は?そして、どうしてマッチ箱に塩を入れて持って行ったのか?

 ソ連時代、人々はよく旅行をした。多くの人が出張で全国を縦横無尽に駆け巡っていた。さらに、ソ連は世界で最初に有給休暇を導入した国のひとつである。戦後になって、休暇は1ヶ月かそれ以上取ることが出来、通常すべて消化されていた(その理由を知るにはこちらから)。休暇では、サナトリウム、海辺、登山、観光などに行くことが多く、現在とあまり変わらない。しかし、若干の違いはあった。さて、ソ連時代に休暇に行く人や出張者が持っていた大事なものは一体何だったのか?

1. ズック製のリュック

 ソ連時代、一番大事だった旅行の友は、もちろん、ズック製のリュック。時とともに様々な種類のリュックが現れたが、もっとも人気のあったのは前側に2つのポケットと、大きめの蓋が上部についた球状のもので、容量は20リットルから60リットルまで調節できた。フレームがついたバックパックが大量生産されたのは1970年代に入ってからで、これはもっぱら本格登山用であった。

2. 携帯湯沸かし器

 小型湯沸かし器は旅行でとても便利だ。今では、ほとんどどんなホテルの部屋にも電気ケトルが備え付けてあるし、近くにカフェもあるが、昔は夜にお茶を飲もうとすると大問題であった。ところで、ソ連の技術者はクルマのシガーソケットにつなぐことが出来る湯沸かし器も発明し、クルマでの旅行も大変人気となった。そして、クルマ用のコーヒーメーカーも出現した。

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3. アルミニウム製マグカップ

 旅行用マグカップはもちろん、元来は軍隊用につくられたが、かなり前に旅行者用にも広まった(このようなマグカップは紅茶やコーヒーを飲む湯を沸かすのに使われた)。アルミニウム製のカップはとても軽かったが、重大な欠点もあった。すぐに熱くなって、手で持つことが出来なくなるのだ。このため、エナメル製やスチール製のマグカップを好む旅行者もいた。今でもこのマグカップはどこの店に行っても見つけることが出来る。

4. ポータブルラジオ

 音楽やニュースを聞けない旅行なんてあり得る?もちろん、今では、スマホで何でも聞くことが出来るが、当時の人も退屈さには耐えられなかったらしい。休暇には小型のラジオを持って行って、海岸で好きな音楽を聴き、ニュースや天気予報で情報をアップデートしていたのである。人気のあったラジオは、それにふさわしい名前がついていて、「ツーリスト」と呼ばれた。これはコンセントにつなぐことも、電池で鳴らすことも出来た。

5. チェス

 ゲームを持たずに休暇に行くなんて考えられる?ソ連時代に人気のあったボードゲームはチェスであった。

 チェスのセットにはいろんな形のものがあり、携帯用のもあった。小さなチェスセットは持ち運ぶのに便利で、たとえば、浜辺に持っていけば日焼けをしている間にお隣さんと楽しむことが出来る。

 チェスの他にもトランプやドミノ遊びもとても人気がある。

6. ゆで卵

 多くのソ連人にとって、休暇先に行くのに長時間、何日間さえかかる時があった。そんなとき、彼らは新聞紙やアルミホイルに包んだ食べ物を携えていった。当時はビニール袋は珍しかったのだ。そして、そんな旅行者にとって、冷蔵庫がなくても保存が効き、殻で守られている一番安心な食べ物がゆで卵であった。鉄道旅行であれ自動車旅行であれ、この便利な食べ物を持たずに出かけることはほとんどなかった。

7. マッチ箱に入れた塩

 実際、これはソ連時代の独創的な生活の知恵だ。塩は通常大きな箱で売られており、その当時は今のように小分けされた袋入りの塩はなかった。そういうこともあって、マッチ箱はとても役に立ち、マッチを使い切った後に様々な目的のために使われた。加えて、当時はすべてのものがエコ・フレンドリーであったのだ!

8. 箱入り石鹸

石鹸を入れるための箱

 今ではどのホテルに行ってもボディシャンプー、シャンプー、髭剃りセットといったバスアメニティが揃っているが、当時はすべて家から持っていかなければならなかった。このようなプラスチックの箱に入った石鹸はソ連時代には必ずスーツケースに入れられていた。他の人の石鹸を使うことは非衛生だと考えられていたので、誰もが自分用の石鹸を持っていた。ところで、旅行用の小さな石鹸皿もあるにはあったが、とても珍しかった。

9. コロン

ソ連製コロン「クローヴ」

 ソ連時代の旅行についてもうひとつの情報。コロンは良い香りをつける目的だけでなく、蚊やダニから体を守るためにも必要であった。いや、冗談を言っているのではない!手や足にコロンを少しつけると、蚊が離れて行くのが分かるだろう。この場合、最高のコロンは「クローヴ」と呼ばれたもので、とても匂いが強かった!

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