ロシアの森林や草原に住む野生のネコたち(写真特集)

Valery Moseykin
 騙されないで:これは森に迷い込んだ近所のトラ猫ではない。野生の獣だ!

 野生にいるのは大型のネコ科動物だけではない!山猫、豹、虎以外にも自然には何種類ものネコ科動物がおり、ペットの猫のように見える。ロシアの森を散歩していて突然小さなトラ猫のような動物に出会ったと想像してみて。これを迷いネコや野良猫だとは思わないで-これらのネコ科動物は人の世話を必要としない(欲しない)し、自分で狩りをすることができるのである。

コーカサスヤマネコ

 このような毛並みのネコはこれまでも何百万回も見たことがあるだろう!しかし、この野生のネコ(ヨーロッパヤマネコの近縁種)が、カフカス(コーカサス)の山岳地帯の森林でもっとも危険な肉食動物だとは想像できる?

 ロシアのカフカ―ス地方のダゲスタン、北オセチア、カバルダ・バルカルや他の地域で生息している。他のネコと同様に、このネコも高所を好むが、飼いネコとは違い、押し入れの中ではなく、海抜3000メートルまでの山岳高地にいる。カフカス地方にはこのような条件の場所は多くあり、しかも食べるものも豊富にある。

 そして、このネコはネズミや鳥を捕らえるだけでなく、小さなウサギや魚も必要とあれば獲るのだ。待ち伏せ攻撃を得意とし、躊躇なく一気に襲い掛かり、喉元に食らいつく。そして心臓、肝臓、肺などの内臓をたちまち食べてしまう。すなわち、捕らえられた獲物に助かる望みはないのである。

 イエネコとの違いはその大きさ(4-6キログラムまで)と鋭い外見にある。もちろん他の野生動物と同じで人間を避けるのだが、発情期になるとイエネコと出会えば交尾することもある。

 このコーカサスヤマネコの生息数は正確には分からないが、3000匹から40000匹であると言われており、ロシアの絶滅危惧種に指定されている。

 ステップヤマネコ(アフリカヤマネコの一種)

 この美しくエレガントなネコは現在のすべてのイエネコの直接的な祖先だと考えられている。科学者たちは、中東のアフリカヤマネコが徐々に変異して9000年前にイエネコになったと考えている。そして、ネズミ退治のために船に乗せられるようになったので、そのため世界中に広まった。このヤマネコが主にアフリカとアジアに生息している。

 ロシアにおいては、ステップヤマネコが記録に現われたのはわずか30年前のことである。生息しているのは、カルムイク、アストラハン、ダゲスタン共和国のノガイ・ステップである。このネコの生息数はかなり少なく、これらの地域の絶滅危惧種に指定されている。さらに、この種に中にはステップヤマネコと野生化したイエネコの交配種であるものもいる。

 ステップに生息するネコは森林のネコと比較して毛は短く、長い脚にスリムな体形をしている。毛皮は厚いということはない。他のネコ科動物と違い、水を好むが、雪は嫌う。このヤマネコは多くの時間を岩の割れ目の中で過ごすことが多い。

 カルムイク共和国のチョルニジェムリ自然保護区の職員たちは、このステップヤマネコが水辺に来たり、まるでトラにでもなったかのようにサイガを見張りに来るのを動画にして発表している。少なくともこの巨大な獲物を見て食欲をそそられていることは間違いないようだ。

 アムール豹

アムール豹の子ネコ(ウラジオストクのサドゴロド動物園)

 このネコ科動物は、まるで小型の豹、特に小さい時。このアムール豹はインドネシアや日本列島に生息するベンガルネコの北方に生息する亜種である。アムール豹が水辺を好み、森林に囲まれた極東のハンカ湖畔近隣や「ゼムリャ・レオパルダ(豹の大地)」国立公園に生息している。

 このネコは泳ぎが上手く、待ち伏せ攻撃を仕掛けるための木登りも岩登りも得意だ。自然の中を歩いていて、ともに同じような場所に生息しているにもかかわらずアムール豹に出会うことはトラよりも稀だ。極東の豹は絶滅危惧種に指定されており、生息数が極めて少ないために、科学者がその数を捉えることさえ困難になっている。しかし、地元住民によれば、その数は近年増加していると言う。

ジャングルキャット

 名前はいくつかある―リードキャット、スワンプキャンプ、スワンプリンクスまたは、ジャングルキャットだ。これらのネコ科動物は、中国と中央アジアに生息していることだが、ロシアではダゲスタンの平地に生息する。自然に残された数は全部で500頭以下(アムールトラより少ない!)であるとされている。もちろん、このネコもロシアの絶滅危惧種に指定されている。

 イエネコとの違いはその大きさ(8〜12キログラム)とかなり短い尻尾。名前からも明らかなように、このネコは葦原や葦を好み、広い空間や山を嫌う。蛇を恐れず、魚を取るのを好む。しかし、大事なことは、このネコの跳躍力である!真のチャンピオンだ!

おまけ

ノヴォシビルスク動物園

 マヌルネコやパラスネコと呼ばれるネコは動物の中で最も内向的なものの一つだ。ザバイカル地方やモンゴルとの国境地帯の人の住まない草原に生息している。そして世界でもっとも毛がふわふわしているネコであるとされている!

 しかし、マヌルネコは何よりも嫌うものが一つある―それは人間だ!パラスネコについてそれが何故か、そしてこのネコのもっと魅力的なことを知りたければこちらからどうぞ。

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