ロシアでもっとも暑い10都市

Igor Onuchin/TASS; Vitaly Timkiv/Sputnik
ロシアの冬はとんでもなく寒いことで知られているが、夏には信じられないほど暑くなるいくつかの場所がある。

 これらの場所に住んでいる人たちは、夏になると猛暑の中で過ごさなくてはならない。では、ロシアでもっとも暑い場所とは一体どこなのか? 

1. ヤシュクリ

 カルムイク共和国の中心にあり、果てしなく広がるステップに囲まれているこの小さな町(人口は8,000人にもおよばない)はロシアでもっとも暑い場所のひとつである。夏になると、日中はほぼ毎日30度以上まで気温が上がり、夜間でも25度になる。2010年7月には、最高気温44.4度を記録した。その数日後、近隣の町、ウッタでは、気温が45.4度まで上昇した。そこの住民たちは昔から伝わる塩茶を飲み、塩チーズを食べてこの暑さを乗り切った。冬の気温は、だいたい0度くらいだが、風が強い日には零下30度まで下がる日もある。

2. ヴォルゴグラード

 英雄都市ヴォルゴグラード(1961年まではスターリングラード)は、驚くほど気温差が大きい。ここの気候は大陸性気候で、凍てつく冬は急激に雪解けし、夏になるとエアコンさえ効かないほどの暑さになる。6月から8月にかけて気温は30〜33度にまでなるのが普通であるが、時にはそれよりも高くなる。

 1940年には、最高気温42.6度が記録された。同じ年の最低気温は、なんと零下33度であった。かつてこの街に住んでいたある人はこう語っている

「今でも覚えているのは、以前の職場で停電したとき、同僚のひとりが駐車場に停めたクルマの中でランチを温めていたこと。車中の温度はなんと70度にまで上がっていたんです!」。

また、この町のおびただしい数の蚊にはもはや誰も驚きはしない。

3. アストラハン

 ヴォルガ川沿岸の美しい南の都市は、典型的な大陸性気候を持つ。冬には、零下20度にまで下がる日があり、その後すべてが融け出すが、翌日にはまた気温が下がり恐ろしいほど凍てつく。夏には強風が吹き、暑さは、だいたい30度くらいで、最高気温41度まで上がることもあった。「町中に回転草がころがっているのを見かける。町の郊外に住むのなら映画『スターゲイト』に出てくるような砂嵐に注意しなければならない」と、地元の人々は言う。 

4. デルベント

 カスピ海沿岸に位置するロシア最古の都市(科学者によると最初にここに人が住み着いたのは紀元前4世紀)のひとつであるこの町では、人々は夏のおそろしい暑さをカスピ海に入って避けている。日陰でさえ、気温は35度になるので、水から出る気はしない。冬はとても暖かく、雪が降ることはめったにない。

5. エフパトーリヤ

 この都市は、クリミア半島西部のリゾート地であり、ステップ気候を持つ。夏の間の気温は常に30〜35度になるが、空気が乾燥しており海が近いので比較的しのぎやすい。雪が降ることはなく、雨もめったに降らない。海の水はいつも温かく、1年中陽気に恵まれている。

6. グローズヌイ

 チェチェン共和国の首都であるこの町の夏はとても暑く、日陰でもしばしば35度以上にまで気温が上がる。雨はめったに降らず、風が強いので、砂ぼこりがよく舞い上がるので有名だ。暑さをしのぐために人々はエアコンを利用したり、自然の中に逃げ込む。冬になっても風は強く、そのため気温は零下20度にまで下がる。

7. クィズィル

 シベリア南部、トゥヴァ共和国の首都であるこの町はロシアでもっとも暑く、またもっとも寒いところのひとつである。クィズィルは正式に極北ロシアに属しており、冬季の平均気温は零下30度くらいになる(最低気温は零下53度を記録したことがある)。しかし、夏になると、乾燥した空気の温度はたちまち30度に上がり、砂嵐がおこる。

「季節はあっという間に変わる。今日、雪が降って、顔が凍てつくと思うと、明日には暑くなり、下着が汗びっしょりになる」と地元の住民が書いている

8. ソチ

 黒海沿岸にある都市は亜熱帯気候であり、温暖な気候を好む人たちにとても人気がある。しかし、一年の平均気温を見てみると、ソチはロシアでもっとも暑い(14度以上ある)都市であると言える。 

 しかし、気候は安定しており、とても穏やかだ。平均気温は、冬は10度程度で、夏には30度になる。ソチには緑豊かな公園が多くあり、カフカスの山々に取り囲まれている。そして一年を通じてとても過ごしやすい。

9. クラスノダール

 クラスノダールの夏は5か月も続くとは想像できるだろうか。通常、春になるともう20度も気温があり、6月には平均気温は30度になり、午後には40度に達することがある。

「これにより、町の中はまるで電子レンジに入っているかのようで、まったく外に出るのが嫌になる。どこにもエアコンが備え付けられており、それがなければ暑さで死んでしまうだろう」と住民は語る。しかも、冬になるとここはとても寒くなる。

10. ユジノスフムスク

 ダゲスタン共和国にあるこの小都市(人口約1万人)は石油産業の中心地として知られている。ノガイ・ステップの中に位置しており、大変乾燥した風の強い気候である。

 ユジノスフムスクの年平均気温は、約15度である。夏の暑さは5月か6月にやって来て、気温は30度にまであがり、とても乾燥する。冬は比較的温暖で、雪はほとんど降らない。

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