“噴水の街”としてのペテルブルクの歴史はほかでもない夏の庭園から始まった。夏の庭園には、1705年にピョートル大帝の命によって作られたペテルブルクの最初の噴水があり、そのうちのいくつかは最近になって再建された。1724年に建造され、2010年代になって修復された「ピラミッド」の噴水は、中央の並木道に位置している。よく見ると、噴き出す水がピラミッドの形をしているのが分かるだろう。
1725年に設計された「王冠」の噴水は、夏の庭園の入り口の一つを飾っている。吹き上げる水で王冠の形を描き出すよう設計されている。最初に作られた噴水は1777年に発生した洪水によって崩壊したが、2010年に最初の設計図と絵を基に再建された。
旧海軍省の建物の近くにある市民にもっとも愛されている噴水の一つ。1879年に作られ、最近まで街でもっとも壮麗なものとされていた。噴水は17メートルまで吹き上がる。
ギリシャ文字「オメガ」の形をした珍しいハイテク噴水で、2000年代の始めに作られた。7メートルもの大きさを持つ「オメガ」の文字は45度傾いていて、そこから流れる水が巨大な泉に落ちていく。夜間になると、噴水はライトアップされる。
鉄道駅のフィンランド駅に光と音楽の噴水群がお目見えしたのは2005年。ショーは毎晩行われる。この噴水のために地元の作曲家、セルゲイ・バネヴィチが13部から成る曲を作曲し、それぞれの曲に乗せて、街の歴史が語られる。
サンクトペテルブルクのもっとも短い通りであるマーラヤ・サドーヴァヤ通りに、花崗岩の球体でできた個性的な噴水がある。球体は水の作用で回転し、水の流れによって小さなカスケードを作り出す。設計者たちは、止めることのできない時の流れをイメージさせるような噴水を作り出したかったという。地元の市民たちの間では、この球体に触れながら願いごとをすれば、願いごとが必ず叶うと信じられている。
この音楽的な噴水は2004年に、クロンシュタットの建設から300年を記念して、ゴスチンヌィ・ドヴォールのそばに設置された。泉は、街の歴史の始まりとなった要塞の形をしている。音楽が演奏されている間、吹き上げられる水の高さが決まった順番で変わり、まるで「ダンスをしている」ように見える。
「ヴェルサイユを凌ぐものを作るために」、18世紀初頭に建てられたピョートル大帝の邸宅であるペテルゴフの下の公園には、金箔や彫刻で豪華に飾られた、驚くほど美しい独創的な噴水が集められている。中でも主要な位置を占めているのが、大カスケード噴水である。世界でも最大級の規模を誇り、高さの違う場所に設置された60以上の噴水から成っている。
その中で特に目立っているのが1735年に建設された獅子の口を切り裂くサムソン像の噴水である。この作品は、ロシアとスウェーデンの大北方戦争(1700–1721年)における最大の戦いであるポルタヴァの戦いから25年を記念して作られた。
1730年代、このカスケード噴水を建設する場所として、ピョートル大帝の邸宅の敷地内にある坂が選ばれた。この噴水は4つの巨大なチェス盤で出来ており、その上を水が流れる。土台の上には3頭の竜が飾られ、噴水を「護って」いる。カスケードの両端には階段があり、ネプチューン、オリンポス、ジュピター、プルートーなどローマの神々で飾られている。
ペテルゴフの上の公園を飾る主要な噴水で、18世紀末に作られた。頭上には王冠を戴き、手には三叉槍を持ち、ニュンペー、トリトン、タツノオトシゴに乗った騎士など、水にまつわる想像上の生物に囲まれている。
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