ゴーリキー公園は再び、モスクワっ子にとってもっとも人気の散策と娯楽の場となっており、週末にはとても多くの人々が訪れる。この公園は間違いなく、モスクワで見逃せない場所の一つであり、地元の人々も絶対に1度は訪れるべきだと勧めるだろう。ではゴーリキー公園で何をすればよいのだろうか?
1. 景色を楽しみながら散策する
もちろん、公園で何をすべきかというと散策である。ゴーリキー公園は毎日24時間オープンしており、体が不自由な人にも利用しやすい場所となっている。公園の敷地は広大で、中ではいくつかの小公園がつながっており、長い散歩道がモスクワ川に沿って作られている(まさにスコーピオンズの歌のように)ので、川の景色やツアーボートを楽しむことができる。そして、公園をさらに奥深くに進んでいけば、いくつもの散歩道に沿って、漫ろ歩くことができる。
万歩計の歩数をもっと稼ぐために、まだまだ散歩をしてもいいという人は、ムゼオン公園からゴーリキー公園を通り抜けて川沿いに歩き、ニスクーチヌィ公園(訳すと、文字通り、つまらなくない公園となる)を通って、雀ヶ丘まで行くといい。ちなみに長い散歩のあと、また公園まで戻る必要はない。公園の両サイドにも地下鉄の駅があり、(パルク・クリトゥールィまたはオクチャブリスカヤ)、反対側の端にも「ヴォロビヨーヴィ・ゴールィ(雀ヶ丘)」という駅がある。
2. 無料Wi-Fiを使う
最近のモスクワは未来都市の様相を呈してきた。あらゆるサービスが毎日24時間体制で提供されており、必要なすべてのことに対するアプリがあるし、無料Wi-Fiもまさにどこにでもある。そしてそれはゴーリキー公園の中も例外ではない。
というわけで、ぜひ第二次世界大戦中のゴーリキー公園の歴史についてのオーディオガイドをダウンロードして、いつもの散歩に教育的価値を加えてみてはどうだろう。
3. 自転車をレンタルする、あるいはスポーツを楽しむ
ゴーリキー公園の中から外に向かって、モスクワ川に沿う形で長い自転車用通路が延びている。自転車、ロングボード、スケートボード(あるいはベビーカーも!)を借りることができる。簡単なサイクルオーディオガイドをダウンロードし、池や博物館についての面白い事実や学びながら、敷地内をよりよく知ることができる。
ゴーリキー公園ではその以外のスポーツも楽しめる。ナイキのオフィシャル・ベースがあり、ランニングやワークアウトのレッスンなども開かれている。さらにサッカー場、バスケットボールコート、スケートパークなどの施設もある。
驚くことでもないかもしれないが、ゴーリキー公園ではペタンクを楽しむことができる。ペタンクとはフランス発祥の球技で、もともとフランスのシニアの間で人気だったものだが、2011年にラ・ブール・カフェにペタンク用のレーンが作られたのをきっかけに、ヒップスターたちの間で流行するようになった(同じ場所に作られたカフェはCochonnet - Petanque & Fun Caféと呼ばれている)。
4. 食べる
現在、ゴーリキー公園には、懐かしのソ連のアイスクリームから新しいストリートフードまで、あらゆるタイプの露店が並んでいる。またテーブルが置いてあってゆっくり座れるレストランもたくさんオープンしている。ギリシャのギロピタやベトナムのフォー麺を食べてみるのも悪くないし、コーヒーとクロワッサンをテイクアウトして、気の向くまま歩くのもいいだろう。
夕食を食べるなら、公園内の池が見える場所を選ぼう。メインエントランスとピオネール池のそばには‘Zharovnya’というグリルレストランが、またゴリツィン池のそばには‘Ostrovok’、 ‘Pizzamento’、‘Lebedinoye Ozero’(白鳥の湖の意)など、素敵なレストランがいくつもある。
5. ロシアとソ連の歴史を紐解く
ゴーリキー公園の正式名称は「マクシム・ゴーリキー記念文化と休息の中央公園」である。1928年にオープンしたが、ゴーリキーの名を冠するようになったのは1932年からである。公園はモスクワ市民にとっての主要な休暇の場所と位置付けられてきたもので、一流の設計士たちによってデザインされた。入り口の壮大なアーチを見るだけでもそのことが分かるだろう。(中にはゴーリキー公園歴史博物館があり、博物館の上は展望台になっている)。
最近は近代的でスタイリッシュな公園に姿を変えつつあるが(2011年に改修された)、ソ連を思い起こさせるようなちょっとした面白いところが、あちらこちらにある。公園では、案内付きの歴史ツアーなど、いわゆる「エデュテインメント」と呼ばれるタイプのツアーも用意されている(公園のウェブサイトでイベントスケジュールをチェックしよう)。隣接するムゼオン公園に行けば、レーニンやスターリンなど、ソ連邦崩壊後に撤去されたソ連時代の人物の銅像や胸像の墓場がある。
6. 子どもと楽しむ
ゴーリキー公園はいつも家族に優しい公園であり、あらゆる年齢の子どもたちにとってのお気に入りの場所であった。ピオネール池のそばにはメリーゴーラウンドや最近オープンしたプレイグラウンドなど、子どもを楽しませてくれるものがたくさんある。そこはミニワールドとも言える場所で、ジャングルとアクアパークを足して2で割ったようなスペースとなっている。子どもたちが遊べるすべり台やうんていがたくさんあり、中には話題の「メガスウィング」と呼ばれる遊具がある。29のブランコが回転したり、移動したりするというもので、夜には素晴らしいライトショーも行われる。
7. コンテンポラリーアートを知る
ゴーリキー公園内には、2008年に創設されたおそらくこの分野でもっとも有名な美術館である「モスクワ現代美術館ガレージ」がある。この美術館ではロシア内外のもっとも興味深いアーティストの作品の展示を行なっているほか、大規模な教育プログラムを実施している。
美術館の建物もかなり目を引くものである。現在の建物は、近代的なポリカーボネートの構造物となっているが、これは廃墟となっていたソ連時代のレストランを、オランダ人建築家レム・コールハースが改修し、設計しなおしたものである。コールハースはモザイクなど、オリジナルのソ連的な要素をうまく残して再建工事を行った(これらの要素は中に入れば目にすることができる)。また美術館の中には評価の高いレストランもある。
8. 映画を観る
ゴーリキー公園では、夏の間、「ピオネール」と呼ばれる野外映画上映が行われている。話題の新しい映画からアートハウス系の映画まで、幅広いジャンルの作品が上映され、中には英語の字幕がついているものもある。上映スケジュールはこちらでチェックし、チケットはあらかじめ予約しよう。
一方、現代美術館ガレージも「ガレージ・スクリーン」と呼ばれる独自の映画上映を行っている。こちらもジャンルを問わない映画や、アートをテーマにしたドキュメンタリー映画を上映しているほか、興味深いゲストスピーカーを招いて、さまざまなレクチャーを実施している。ガレージのイベントのスケジュールはこちらからどうぞ。
9. ボートを借りる
週末は長い行列につかなければならないかもしれないが、都会のど真ん中にいながらにして、自然の中でボートを漕ぐのはとても気持ちがいいものだ。公園の中のゴリツィン池(大きい方)とピオネール池のどちらでもボートと双胴船が手頃な値段で貸し出されている。詳しい情報はこちらから。
10. アイスリンクでスケートを楽しむ
ゴーリキー公園は、冬になるとモスクワでもっともゴージャスなアイスリンクを備えたワンダーランドと化す。アイスリンクで流れる音楽や新年の特別な雰囲気、グリューワイン(ただしこちらはアイスリンク外で!)を楽しむことができる。スケート靴のレンタルができる場所はいくつもあり、またきれいで暖かい更衣室もある。
アイススケートをするにあたっての注意事項はこちらからどうぞ。