雌牛に豚に牡羊にハリネズミ・・・、動物好きな人のためのモスクワのカフェ12選

観光・自然
アルビナ・アンドレエワ
 雄々しい牡羊と一緒にとるファンシーなファミリーディナー。忙しく動き回るハリネズミの一群と過ごす5時のティータイム。あるいは雌牛や雄山羊の傍らでとるビジネスランチ・・・。毛むくじゃらのホストが温かいおもてなしをしてくれるこれらの風変わりなレストランではなんでも起こり得る。

1. Khachapuri

 社交界の花形、インスタグラムのスター、一座の人気者― これらすべてはジョージア料理のチェーンレストランKhachapuriの象徴になっているダンディーな牡羊、トーリクのことである。レストランの公式芸術監督として彼のスケジュールは極めて多忙だ。インタビューやサイン会をこなし、モスクワ中のトレンディーなイベントにも出演している。しかも自分の店に顔を出して、子どもたち相手のワークショップを行ったり、女性と写真撮影をしたり、無料のパーティーを開いてラップ合戦をすることなども決して忘れることはない。トーリクのスケジュールはこちらのウェブサイトからチェックして、ハグしてセルフィーしよう。 

2. Funny Cabany

 気軽に行ける民家風のこのカフェでは、クリエイティヴなヨーロッパ料理とおもいっきりの可愛さでもてなしてくれる。この店のマスコットである愛らしい子豚、ファニーは店中を動き回ってくんくんと客の靴を嗅いだり、しっぽをヘリコプターの羽のようにせわしく振っている。大人も子どももファニーの可愛さには太刀打ちできない。ランチに来たオフィスワーカーが写真を撮ったり、両親たちは自分の子どもたちをファニーに抱き寄せさせたり、ワインを少しずつ飲んでいる街の女性たちがこの毛むくじゃらのホスト役に手を伸ばす。しかし、ファニーはなにより働く同僚たちを魅了している。― とりわけみんなファニーの背中が好きで、ファニーが耳を触れられるのが好きなことをよく知っているのである。

 

3.Kavkazskaya Plennitsa (コーカサスの女虜)

 本物のソ連時代の雰囲気に浸り、豪華なジョージア料理を楽しむのなら、このカフェに行くしかない。レストランKavkazskaya Plennitsaはロシアの有名なコメディ映画「コーカサスの女虜、もしくはシューリクの新しい冒険」をテーマにしている。そこの1つのホールには映画のシーンを描いた古風なタペストリーが飾られており、別のホールでは石材で作られたオリジナルのオーブンや手織りの敷物がある美しいジョージアの田舎に連れて行ってくれる。そして小さな籠の中では、雌鶏が静かに鳴いている。ちなみにこの鶏は可愛いのはもちろん、他の鶏のようにちゃんと卵を産んで、料理の皿にも上がる。

4. Shinok

 田舎で過ごした幸福な子供時代を思い出すには、Shinokに行くほかない。街の真ん中にあるこのレストランではウクライナののどかな田舎町が再現されており、自慢のミニ農場が作られている。良く伸びた木の上には美しい孔雀が休んでおり、おとなしい雌牛の横でウサギや鶏が草の中で動き回っている。ウクライナの民族衣装を着た女性がこれらと仲良く戯れている。そして、もちろんそこには、平和の使者である、ジプシーと呼ばれるいたずら好きな雄山羊が歩き回っていて、誰かかまってくれないかと人々にちょっかいを出している。

 

5. Elargi 

 アルバート通りから歩いて5分、大使館や古い屋敷に囲まれたカフェElargiは、騒がしい街の中心部にある隠れオアシスである。花と緑に囲まれた庭はカフェというよりは、おばあちゃん家のサマーハウスのように感じられる。そんな訳で、ここで4本足の生き物を見かけても驚かないように。とても可愛い雌ヤギのルーシーと友達のウサギはこの庭に住んでいて、ここであなたのハートを融かしてくれるだろう。スーツ姿でビシッと決めたビジネスマンやパワーランチをとるCEOが突然、ウキウキする子どもたちと一緒になって可愛い動物たちを撫でたり、餌をやる姿を見ることができるかもしれない。

 

6. Uzbekistan

 このレストランは千夜一夜物語の宮殿そのものである。巨大なダイニングホールにはレリーフの装飾や豪華な照明、それに刺繍入りの家具など、すべてアジアの異なる場所の最高の巨匠による手作りの調度品で飾られ、それはアラジンのセッティングさながらである。メニューは豊富で、中東から中国までの幅広い民族料理を網羅しているが、店の名前から分かるように、ウズベクの代表料理、プロフ(ピラフ)に特化している。もしもサルタン風の雰囲気があまり好みでないなら、2羽の素晴らしいクジャクがあなたの目を喜ばせてくれる静かなインテリアガーデンもある。

7. Tinatin

 温かみのある木製のインテリアにアンティークのシャンデリア、華麗な階段に彫刻が施されたバルコニー、数えられないほどの部屋、コーナーとスペース。4階建てのこのレストランはナルニア国への秘密の扉にも似ている。しかし扉はそれに劣らぬほどマジカルな場所―美しいジョージアへと旅させてくれる。すべてのレシピはジョージアから伝えられたもので、オーナー曰く、店で出される料理には、彼女の祖母のクッキングブックにあったレシピが使われているという。カフカスの美味しい料理を楽しんでいる間に、鳥の声が聞こえても驚いてはいけない。屋根裏部屋に歌好きなオウムがたくさん住んでいて、ビジネスランチを盛り上げてくれたり、初デートの緊張を解きほぐしてくれる。

8. Lucky Lori 

 小さいとき、モルモットを飼いたいと母親にねだったことはないだろうか?このLucky Loriでは子どもの頃の夢が叶う。ここには多くの伝統的なペットが揃っているのである。優しくて、人懐こいテンジクネズミ、チンチラ、ハムスター、オウム・・・、どの動物も客にとてもフレンドリーである。

 もう一つの利点は、ロシアのユニークな「時間制カフェ」のコンセプトで店を利用することができることである。つまり、オーダーした食べ物や飲み物にではなく、カフェで過ごした時間に対して対価を払うのである。その間の紅茶、コーヒー、ビスケットなどは制限なく食べることができ、自分でおやつを持ち込んで、友達とゲームをして夜を過ごしたり、プロジェクターで映画を見たり、リラックスした雰囲気の中でノートパソコンで作業をしたりすることもできる。

 

9. Ezheminutka 

 ペットは柔らかでふわふわしていなければならないなんて定義はない。このアンチカフェは何匹ものピグミー・ハリネズミを用意し、子どもたちにも大人にもスリルを与えている。ハリネズミたちが周りをうろうろと歩き、匂いを嗅いだり、息をしたりしている姿を見て、その魅力を無視できる人はいないだろう。またここでは子どもたちに自然について教育することができる。利用客がハリネズミと遊ぶ前には、スタッフたちが遊ぶときのルールを説明し、遊び方を指導してくれる。ネコ好き、犬好きの人たちは気をつけて。このお店を訪れたら、すっかり「ハリネズミ好き」に変わってしまうかもしれないから。

 

10. Zaycafe

 このカフェでは耳が長くて、ふわふわした可愛い動物があなたを待っている。こちらも時間制のカフェだが、軽快なウサギちゃんたちと過ごす時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。スタイリッシュな薄茶色のハーマイオニー、尻尾がふさふさしたレフ・ニコラエヴィチに触れて遊んだり、その他のウサギたちと写真を撮ったりすることができる。言うまでもないが、このふわふわでまんまるい動物はあなたのインスタグラムから爆発的な魅力を発するだろう。プレイ・セッション以上のものを求める場合は、ウサギの扱い方についてのレクチャーやワークショップもある。ちなみにここに来ると、大半の人がウサギを1匹家に連れ帰りたいという気持ちになってしまうだろう。そして、嬉しいことに、カフェは可愛がってくれる利用客にウサギを譲ってもいる。

 

11 . Owl House

 イナヅマ形の傷はなくても、モスクワのOwl Houseアンチ・カフェに行けば、ヘドウィグと友達になることが出来る。ここには長耳フクロウ、モーティを含む8羽のフクロウがいる。名前はヴォルデモート卿にちなんでつけられたものだが、モーティははるかに優しく、そして鼻もある。生意気なシロフクロウのシリウスはあなたに大声コンテストに挑もうとしているかのようである。フクロウたちはブリーダーから譲られたもので、人間にも慣れているが、訪問するときにはあらかじめ予約した方が良い。店側が利用客の数を管理でき、フクロウを十分に休ませることができるようにするためだ。

 

12.Kotiki I Lyudi (ネコちゃんたちと人間たち) 

 ロシア人は世界でもっともネコ好きであり、ロシアにはネコカフェが全国至るところにある。カフェのネコはそのほとんどが、温かい家庭に引き取られることを願って、シェルターから引き取られたもの。そしてこのアイデアはうまくいっているようだ。モスクワでもっとも長く経営されているカフェKotiki I Lyudiは2015年にオープンしてから、300匹のネコのために新たな家を見つけ、今も外にいるネコたちを救助し続けている。

 もしネコを飼うという気がなくても、ただ撫でてやったり、喉を鳴らすのを聞いたり、膝への華麗なジャンプを見たり、テーブルの上で伸びをするのを見て、癒されに来るのはどうだろう。

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