フクロウと飲む極上のアフタヌーンティー? 立つ鳥跡を濁さずモスクワの新カフェへ

アンナ・ポタポワとトラフズクのモルティー

アンナ・ポタポワとトラフズクのモルティー

エカテリーナ・コズーホワ
 フクロウの目を見つめ、肩に止まらせるためには、何もホグワーツの生徒になる必要はない。ロシア・ビヨンドがとても風変わりなカフェを独占取材する。

 有名な猫カフェに続き、日本から新たな“かわいい”トレンドがやって来た。2017年初めに開店したモスクワのソヴィヌィー・ドム(フクロウの家)はロシア唯一のフクロウカフェだ。ソヴィヌィー・ドムは、利用客が過ごした時間の分だけお金を払う“アンチ・カフェ”として営業している。

 モスクワ中心の住宅建築物の中庭にあるこの二階建てのフクロウカフェでは、コクのある紅茶とコーヒーも提供されている。地階では、利用客はそこに住む5羽のフクロウのうち、どのフクロウも可愛がることができる。その前に利用客は消毒液で手を洗わなければならない。鳥たちに触れていいのは手の甲だけ。鳥たちが許せば、の話だが。

 「フクロウは、誰かになでられていても何も感じません。」こう説明してくれたのは、“フクロウのエキスパート”として、またカフェの案内役として働くアンナ・ポタポワさん。「彼らは羽毛に神経末端がないのです。ですからフクロウにとっては、皆さんになでられていようがいまいが、どうでもいいのです。」

 さらに、フクロウは記憶力が悪く、人を全く覚えない。一瞬一瞬の出来事をほとんど覚えられないが、その一方で彼らは自分のいる環境を大変よく記憶する。それで彼らはカフェから出たがらない。「ドアを開け放しにしていたことがありますが、今まで一羽も逃げたことがありません」とポタポワさんは言う。

 

東京からモスクワへ 

モリフクロウのブーリャ

 フクロウカフェはモスクワっ子のマルク・ロブィンツェフさんの発案だ。「2015年に、そういう場所が日本にあると聞き、ロシア人にとっても面白いのではと考えたんです。」ロブィンツェフさんはロシア・ビヨンドにこう話した。彼によれば、店のフクロウは鳥の飼育施設や国立動物園から来たそうだ。

 「フクロウと初めて会ったときは衝撃でした。いろいろな鳥類学者にどう世話をしたらいいか訊いてみました。フクロウはネズミしか食べず、一日一度か二度は体を洗う必要があります。調教しなければなりませんが、それがとても厄介なんです」とロブィンツェフさんは話す。フクロウを調教するには、とても若いうちに入手する必要があり、餌付けや世話をするのに多くの時間を使ったそうだ。

 初め、ソヴィヌィー・ドムは動物愛護団体から批判を受けたが、その後ロシアの衛生管理局ロスポトレブナドゾルが公式の見解を出し、抗議の波はやんだ。ロブィンツェフさんによれば、現在カフェは市の獣医学局の管理下にあり、毎月担当者らが監査と鳥たちの検査に来るそうだ。

 

フクロウたちにとっての家

一番若いフクロウのミラ

 利用客はよく、手の上にフクロウが急降下して来ると驚く。だが心配ご無用、夜行性の鳥たちは一日5キロメートル飛ぶ必要があるのだ。フクロウたちは部屋を飛び回り、天気が良いときには店員が外へ連れて行く。

 飼いならされたフクロウの日々のルーティンは野生のものとは違う。ポタポワさんによれば、飼いならされたフクロウは日中活動して夜寝るのだそうだ。 

 一番若いミラ(まだ生後5ヶ月)は最も大きくて、人の手で育てられた。このカラフトフクロウは人が好きで、人との触れ合いを楽しむ。ポタポワさんが言うには、ミラは飽きたら誰かのところへ飛び、その人が何をするか見るそうだ。

 カラフトフクロウはぎこちない行動で知られる、とカフェでカメラマンをしているアリサ・ルスタモワさんは言う。「彼らが近くへ飛んで来たかと思ったら、壁や木にぶつかることがあります。彼らが優れたハンターだという主張と矛盾します」とルスタモワさんは指摘する。ミラは熱心に人を見ていて、人の会話に耳を澄ましているようにも見える。

 フォレストとブーリャはともにモリフクロウで、つがいだ。これはとても怠惰な種だとアンナさんは言う。「時々、あまりに怠けて飛ぼうとしないので、ある場所から別の場所まで飛ばすために押してやらないといけないこともあります。」

 ブーリャは怠け者なので人を噛まない。「彼女に噛まれようと思ったら、くちばしの中に指を入れないといけないでしょう」とポタポワさん。「フクロウの世界ではこの種はクマの子に例えることができます。愛らしくて怠け者。」

 しかしブーリャは意地悪になることもある。「何かに不満だと言いたいとき、彼女は私に向かってシューっと言います」とルスタモワさん。

  トラフズクのモルティーはやんちゃ坊主だ。「彼は意地が悪くて噛むのが好きです。でも誰かを傷つけることはありません」とポタポワさん。「自分が一番弱いと分かっていますが、自慢屋なんです。」これらのフクロウは長い耳を使って風景に溶け込むため、木と区別が付かない。カフェの5羽目の住民はメンフクロウのマキ。野生の世界で最も美しい種の一つだ。

フクロウを飼うのは良い考えではない

 フクロウカフェを訪れる人のほとんどが家族連れだ。「子供たちは他では見られない鳥たちを見て、触れることさえできます」とロブィンツェフさんが説明する。

  家族連れの他に、10代の利用客もいる。ハリーポッターのサーガのファンが多いからだ。概して、フクロウカフェは猫カフェに似ている。動物がいて、ボードゲームや飲み物、グッズが売られている。しかし猫カフェでは、利用客がネコを家に連れ帰ることもできるが、フクロウカフェではそれは禁止されています。さらに、カフェの店員の皆さんは、夜行性の鳥を家で飼わないのが一番だと言います。

 「お客さんからよく、フクロウを飼いならして世話をするにはどうしたら良いか訊かれます」とロブィンツェフさん。

 「私はいつもフクロウを飼わないよう説得します。世話をするのがとても大変で、そのための経験も必要だし、多くの時間とお金をかけないといけないということを説明するんです。」

 

 2018年9月、ロブィンツェフさんはサンクトペテルブルグに彼の第二号店を開店させる予定だ。

 

場所:プロスペクト・ミーラ(Проспект мира)79、c2。

営業時間:毎日午前11時〜午後10時

 

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