ロシアにおける産業観光5選

ウラジーミル・スミルノフ/TASS
 サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館やモスクワの聖ワシリー大聖堂以外のスポットも訪れたいと考える観光客のために、ロシアでは大工場や遠隔地の工場への魅力的な見学をすることが可能になっている。

1.チェレポヴィツの製鉄所

 この製鉄所は、800万ドルかけてファサードを改修し終えた今年6月から観光客を受け入れている。

 この工場は1955年に設立された。主にここでは金属が生産されている。作られた金属は家電製品の他、造船、機械工学、燃料、電気、防衛、建設業にも用いられている。

 見学ツアーは製鉄所併設の博物館から始まる。そこでは鉄の利用に関する技術発展の歴史を学んだり、「ヴァーチャル試着室」で古代の兵士が身に着けていた鎧を試着したり、鉄のかんな屑で絵を描いたり、鋼を作ったりできる。

 博物館の裏庭には、鋳鉄、鋼、圧延製品の生産に使われる設備があります。また、世界最大の自動車の一つである「ベラズ」のトラックを運転することもできる。

 次に、ロシアで最も性能が良い熱延機である「スタン200」を見学できる。その温度は摂氏1000度になり、見学スペースから熱延機での作業を見ることができる。

 見学ツアーは2時間で、英語で行われる。集団見学の場合は一人当たり12ドル(1300円)、個人ツアーの場合は170ドル(1万8千円)かかる。

2.トゥーラの工作機械博物館

 1000平方メートルの敷地にある工業クラスタ-「オクタヴァ」の博物館には、ロシア各地から集められた8つの工作機械が展示されている。その中には、ヘンリー・フォードのベルトコンベア、最初の蒸気機関、「皇帝の槌」と呼ばれた蒸気ハンマー、薬きょう用のプレスや「ジェニー紡績機」などがある。

 特に、音響設備には工場の美学が貫かれています。天井から釣り下がっている巨大なパイプが、工場に鳴り響く音を再現する。さらに、工場の壁には40メートルにも及ぶロシアの産業発展の歴史を解説した年表が展示されている。またここではロシアの産業プラントの3Dモデルも展示されている。

 入場券は一般5.5ドル(590円)、大学生3.93ドル(420円)、子供3.14ドル(340円)、6歳までの子供や大家族、障害者は無料となっている。英語によるオーディオガイドも無料で利用できる。

3.「アブラウ・デュルソ」

 「アブラウ・デュルソ」はクラスノダール州に存在するロシアで最も有名なワイナリーだ。見学ツアーは現代美術館の「アブラウ世界美術館」と英語でのこの工場の歴史を解説した映画の上映から始まる。その後、見学者は19世紀末に建てられた古いワイン貯蔵庫を見学する。

 それが終わると、スパークリングワインの生産現場の見学とソビエト時代に作られたトンネルが待っています。最後に5種類のスパークリングワインの試飲ができ、土産物店を訪れることができる。

 追加料金で市内のオーディオガイドによるツアーも手配することができる(英語可)。また、トンネル内では子供と大人のためのクエストが用意されている。

 見学ツアーの所要時間は1.5時間で、料金は15.7ドル(1690円)だ。

4.ヴィクサ冶金工場

 この工場の見学ツアーは3種類用意されている。「大径パイプの誕生」ツアー、「驚くべき鉄鋼の変態」ツアー、「熱延車輪の世界」ツアーの三つだ。参加者は鋼の圧延を見学したり、「セヴェルニー・ポトク」や「シラ・シビリ」などガス会社に供給されているガスパイプの製造ラインを見学できる。さらに、鉄道や地下鉄の車両用の車輪が熱された鉄からどのように作られるのかを見ることができる。

 そしてここでは「ヴィクサ10000」というグラフィティを見ることができる。その面積は10800平方メートルにもなり、建物のファサードに作られたものとしては世界最大規模のものだ。その作者はロシアで人気の現代芸術家ミシャ・モストだ。

 グループ見学(英語可)は1万5千ルーブル(2万4千円)で、最大人数は15人だ。予約は見学の12日前まで受け付けている。

5.ペトロドヴォレツ時計工場

 ピョートル大帝時代に建てられたこの工場は、ソビエト時代に極地探検や陸海軍用に特別な時計を制作していた。

  第二次世界大戦後、この工場は「勝利」ブランドの時計を制作していた、その中で最も有名なものは1961年ユーリー・ガガーリンを記念して作られた「ロケット」時計だ。当時従業員は約8000人いたが、90年代に工場は一時停止し、2012年に再開された。従業員の数は少なくなり、わずか50人になっている。

 だから時計は今まで通り手作りで作られている。ここはらせんやバランスのある独特な構造の時計を生産する数少ないメーカーの一つだ。

 この工場では定期的にロシア語と英語で見学ツアーを実施し、その一環として時計の開発と生産を見学することができる。

 見学ツアーは時計工場「ロケット」への郵便か電話での事前予約が必要だ。ツアーは無料だ。

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